天気の子って面白いのかな?
と思っている人のために劇場で観てきた僕の感想を書いています。
この「天気の子」の感想記事を読んでいただくと、天気の子が面白いのか自分に合うアニメ映画なのかどうかが分かりますよ。
なので、つまらない映画を観てしまって時間を損したってことにならないです。
ひとこと感想「後半の展開に圧倒された。新海監督作品の中でも、もっとも多くの人に届く物語だと思う。」
【評価】95点/100点満点中
「君の名は。」のような大恋愛がテンポよく進む映画が観たい人には「天気の子」はオススメしません。
それでは「天気の子」の感想をどうぞ。ネタバレなしです。あらすじも書いておきます。
あらすじ
帆高は離島から家出して東京にやってきた。なんとか食いつなぐがどうにもならなくなってきてフェリーで出会った怪しい男の会社で雇ってもらうことにした。
怪しい男の名は須賀。須賀の会社はオカルト関連のメディアに記事を提供する仕事をしていた。
帆高は須賀の会社の仕事をする日々だったが、ある日少女がガラの悪い男に連れていかれようとしているのを見かける。その少女と帆高は以前マクドナルドで出会っていた。
少女を助けた帆高。少女の名は陽菜。彼女は祈ると100%晴れになるという不思議な能力を持っていたのだった。
「天気の子」の感想
天気の子は、ものすごい応援歌。メッセージ性が強い映画。
「天気の子」を観終わって思ったのが、ものすごくメッセージ性の強い映画だということ。
恋愛部分よりも、このメッセージを伝えるための映画を作ったんだと思います。
10代の恋と愛も描かれるけれど、それよりも伝えたいメッセージ、想いがあることを感じた映画でした。
なにを伝えたいのかはネタバレになるので、この記事では書きません。
メッセージ性が強いんだけれどまったく説教くさくないのが、またすごいです。
「天気」を、いろんなことに置き換えて観るのがオススメ
「天気の子」のおすすめの見方は天気をいろんなことに置き換えて観ること。
天気は、人間にはどうにもできないことですよね。
そんなどうにもならないと思ってしまうようなことって生きてると、いろいろとあります。
学校や会社でのこと、仕事でのこと、大きくはこれからの日本の行く末とか社会状況、環境問題などなど。
「天気」のことを、自分の周りの”どうにもならないように思えてしまうこと”に置き換えてみると新海監督が「天気の子」に込めたメッセージが見えてくるように思えました。
100%の晴れ女なんて都合のいい存在はいない私たちのリアル。
陽菜の能力は「天気の子」の物語のなかでは真実ですが、私たちが暮らすリアルでは、そんな都合のいい能力なんてありません。
つまり「天気」=”どうにもならないように思えてしまうこと”を簡単に都合よく変えることはできないし、誰かがやってきてさっと自分の状況を一瞬で良くしてくれるわけでもない。
だったらどう生きるといいのか。
そのことを「帆高と陽菜の選択」とラストでの帆高の心の中の声が示してくれたのだと思います。
天気の子も背景がすごかった。むしろ背景が主役ぐらいの勢い。
「天気の子」も背景がすごかったです。
夕焼けに包まれる都市のビル群、陽菜が祈るシーン、イベントでの視点の動き方などなど・・・
これでもかっていうぐらい背景が自己主張してきます。
都市のビル群が夕景に包まれた風景は、そこに住む人々をも慈しむ愛おしさもあるような、そんな温かい気持ちになりました。
新海監督は、ほんと都市とか街を肯定的に描きますよね。
街の風景や、そこに住む人々はかけがえのない大切な存在なんだと言われているような気がします。
天気の子の背景については、もっとくわしく「天気の子見どころ5選!背景ほんと美しい。」の記事にて書いています。
都市に対する視点が新海誠とまったく違う押井守
これと正反対かなって思うのか押井守の映画。
押井守監督作パトレイバー2劇場版では、海から見た東京の風景を「幻想」として描きました。
そんな「幻想」の都市であっても、そこに住む人々にとっては大切なものであるみたいなセリフがありましたね。
なぜ「幻想」なのかというと、世界各地では今でも戦争や紛争、テロが頻発していて、東京の風景だっていつ崩壊するか分からない脆いものだっていうことだったと思います。
パトレイバー2劇場版での日本の「東京」の解釈は政治的な考えも多分に入っていて、それで「幻想」だと言ったのでしょう。
しかし新海監督が「君の名は。」や「天気の子」で描く東京は、ただただ愛おしいものとして、まるごとひっくるめて描かれているように思います。
そうした東京の日常風景は、とても大切なものなんだということが「天気の子」の背景描写で、これでもかって描かれていたのではないでしょうか。
劇場版パトレイバー2the movieの感想記事も書いています。どんな映画なのか記事読んでいただけると分かりますよ。
エンドロールで流れたRADWIMPSの曲「愛にできることはまだあるかい」の歌詞で涙が止まらなかった。
エンドロールでRADWIMPSの「愛にできることはまだあるかい」が流れました。
エンドロールが始まっても劇場で観てた人たちはみんな立たなかったですね。
「愛にできることはまだあるかい」の歌詞の意味は、いろいろと解釈できると思います。
映画本編を観終わってエンドロールで「愛にできることはまだあるかい」が流れると、その歌詞がすごく胸に迫ってきました。
「天気の子」の物語のなかで、主人公の少年帆高は様々なものを失っていきます。
しかしそれでも帆高は希望を捨てなかった。どんなに大人たちに阻まれようと必死に抵抗してみせたわけです。
そんな帆高のこと、そして陽菜のこと。帆高と陽菜のことが「愛にできることはまだあるかい」の後半の歌詞で歌われているのかなって思いました。
ぜひ劇場で「天気の子」を観てもらって、本編終わったあとのエンドロールで流れる「愛にできることはまだあるかい」を聴いてみてほしいです。
今「愛にできることはまだあるかい」の歌詞を読んでも、そこまでピンとこないはず。
「天気の子」を観る前に「愛にできることはまだあるかい」を聴いたときは、そこまでいい曲だとは思わなかった。
映画鑑賞前、youtubeで公開されたRADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」のMVを観ても、正直そんなに感動しませんでした。
こんな感じで映画観る前はなんてことない曲だなと思ってたけど、観終わってエンドロール始まって曲が流れたとき涙が出てきて仕方がなかったです。
「愛にできることはまだあるかい」の歌詞の意味が映画本編を観た後、初めて分かったような気がしました。
この記事を読んでいただいてるときに、DVDレンタルとか動画配信が始まってたら、ぜひエンドロールまで観てほしいです。
映画本編を観終わったあとからでないと「愛にできることはまだあるかい」の本当の聴きごたえみたいなものが味わえないと思いますので。
それにしても、ここまで歌詞をじっくりと味わいたいと思った邦楽は久しぶりです。
天気の子のサントラをCDかダウンロード配信で購入するか、どちらがいいかのヒントになる記事を書いています。
映画に感動してサントラを買いたいけれどCDがいいかダウンロード配信で買うほうがいいか迷っている人は参考になりますよ。
ハッピーエンドだったのかバットエンドだったのか。
「天気の子」がハッピーエンドだったのかバッドエンドだったのか。
これはいろいろと意見がありそう。
新海監督はインタビューとかで「意見が分かれる映画を作った。」と言ってましたが、そうなんでしょうね。
個人的にはハッピーエンドだったかなって思います。
新海監督の映画というと、どっちかっていうとバッドエンドの監督っていう印象があるんですが「君の名は。」で明らかに方針転換して、そして「天気の子」のラストですよ。
こういうラスト、ストーリーの終わらせ方もあるよなって思います。
「天気の子」はハッピーエンドかなって思うんだけれど、でもすべてにおいて明るい希望がもたらされた映画かというと、そうじゃないです。
どこか暗澹たる雰囲気、行く末が暗い雰囲気が残っています。
ある限界を突破して、さらにその後の物語の結末を新海監督は提示して終わらせたのではないでしょうか。
「天気の子」前半は退屈だった。つまらないと思ってしまう手前までいった。
君の名はのヒットがなければ天気の子を途中で観るのを止める人がいるかも。
と思ってしまうぐらい前半は退屈に感じてしまうことがありました。
そして陽菜のファンタジー、とんでも設定が描かれるにつれて「あ~、もしかしてこのままファンタジーに突き進むのかな…。残念だな。新海監督作品、これで失速か。」などと、たいへん失礼なことを思ってしまったんですね。
映画後半の展開に圧倒された。
ところが!
陽菜の体が、ある状態になっていってからの映画後半の怒涛の展開に圧倒されました。
新海監督すみませんでした。やっぱり新海監督ってすごい!天才だ!って思い直したのでした。
物語をここまで作りこめるって、やっぱり「言の葉の庭」とか「君の名は。」を生み出した新海監督の脚本作りって素晴らしい、やっぱりすごいよってなりました。反省。
「君の名は。」ほどテンポが良くない「天気の子」。物語をじっくりと味わってほしくてテンポを落とした?
でも、やっぱり「天気の子」は「君の名は。」ほどテンポが良くないですよね。
たぶんわざとゆったりしたストーリーの進み方にしたんだと思います。
物語をじっくりと味わって考えてほしいという考えがあったのかな。
「天気の子」は「君の名は。」みたいに始まりから超特急のようにどんどんテンポよく進んでいって、あれよあれよという間に彗星シーンまでいってって感じではないです。
「君の名は。」は退屈する隙が一切なかったです。
しかし物語としては「君の名は。」より「天気の子」のほうが好きです。
「君の名は。」の感想記事も書いています。読んでいただくと、「君の名は。」がどんな映画だったか分かります。
これから「天気の子」を観る人で、もし(前半退屈だな、つまらないな)って思ってしまったとしても、ぜひ最後まで観てください。圧倒されますから。
「天気の子」感想まとめ
ということで「天気の子」の感想でした。
とりあえず劇場で観てさっと書いてみました。
「天気の子」観ようかな、どうしようかなと迷っている人に参考になればいいなって思います。
感想をまとめると、
- 天気の子は、ものすごい応援歌。メッセージ性が強い映画。
- 「天気」は、いろんなことに置き換えられる。
- 背景がすごかった。むしろ背景が主役ぐらいの勢い。
- 「愛にできることはまだあるかい」の歌詞の意味が初めて分かった。
- ハッピーエンドかなって思った。
- 前半は退屈だった。つまらないと思ってしまう手前までいった。
- 後半は圧倒された。
といったところです。
やっぱり新海監督すごいよ。
監督の次回作も楽しみです。
もっと新たな前人未踏の境地にまでいってくれそう。しかもエンターテインメント性(たくさんの人が楽しめる映画の質)を保ちながら。
当ブログの「天気の子」関連の記事を「新海誠監督アニメ映画天気の子ブログ管理人の感想・考察・曲・小説・話題・批判まとめ」にてまとめています。読んでいただくと、より「天気の子」の世界を楽しむことができるようになりますよ。
「天気の子」みたいな似てる映画を探すなら「まとめ記事」からどうぞ
「天気の子」と似た映画や関連作品お探しの人に、まとめorランキング記事紹介します。
「感動」とか「泣ける」「落ち込んだ時」「監督別」など映画のタイプ別にまとめている記事から、似ている映画や関連作品を見つけやすくなりますよ。
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