映画ウインドリバーのネタバレ有り考察記事です。
まだウインドリバー観ていない人は読まないようにしてください。
サスペンススリラーの映画ウインドリバー。
かなり社会派な作品ですよね。
先日映画館で観てきたので、いろいろと考察してみます。
ウインドリバー観たけど、よくわからない部分があったとか、やはりそういうことなんだなって思ってもらえたらいいかなと思います。
監督・キャスト(登場人物)
監督 テイラー・シェリダン
コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)
猛獣駆除などを行う合衆国魚類野生生物局の職員。捜査に協力する。
ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)
ウインドリバーに派遣されてきたFBI捜査官。
ネイティブアメリカンの土地のはずなのに採掘場はアメリカの会社の私有地になっている?
映画で登場した採掘場はおそらく元はネイティブアメリカンの居留地の土地だったのではないでしょうか。
資源が発見されてどこかの会社が買い取ったのか、資源が発見されると会社の私有地になる決まりでもあるのか分かりません。
おそらくウインドリバーに住むネイティブアメリカンたちは採掘場から収入を得ることができないようになってしまったのだと思います。
調べてみるとネイティブアメリカンの居留地で資源が見つかると、まったく別の場所にある会社が採掘するっていうパターンばかりみたいですね。
FBIが新人1人だけを派遣してきた理由
「ウインドリバーみたいな辺境の地の事件なんて新人1人で十分だ。」
そんなFBIの考え方があるからだと思われます。
シンプルに言えばFBIはネイティブアメリカンの保留地の事件を軽く扱っているということですね。
深刻な事件と思ってもらえていないわけです。
しかも派遣されてきたジェーンは新人。
極寒の地に来るのに防寒具なしという状態です。
ウインドリバーの保安官が「なめられている」と言ったのはおそらくジェーンに対してではなくて、新人1人だけを派遣してきたFBIに対して言ったのではないでしょうか。
居留地の特殊な事情と失踪者数か不明になる関係について
ネイティブアメリカンの保留地というのは法律関連で入り組んだことになっているらしく普通の捜査ができない構造があるらしいです。
映画でも女性の死因は極度に冷えた空気によって肺が破裂したことが直接の原因という検死官の見解でしたよね。
FBIは他殺(他人に直接殺された)でなければ本格的に動くことができないみたいです。
映画でも直接の死因は肺の破裂なので他殺という見解は出せないと検死官が言ってました。
そして他殺ではないという検死官の見解をそのままFBIに報告すればジェーンに帰ってくるように命令されるとなってましたね。
ジェーンは新人なんですが正義感が強く自分1人だけでも捜査を続けることにしました。
しかし居留地の現状とか厳しい自然環境のなかでは思うようにいかないと判断してコリーに協力してもらうことになりました。
もしFBIのジェーンが捜査を続けずに帰ってしまっていたら、うやむやになってしまった可能性があるのでしょう。
ジェーン以外のFBI捜査官が来ていたら捜査を打ち切って帰ってしまっていたかもしれないですよね。
FBIが来ても帰ってしまう場合や、FBIを呼んでもどうせ本格的に捜査してくれないから呼ばないとかで、ネイティブアメリカンの女性の多くが失踪者扱いになってしまうのかなと思いました。
ネイティブアメリカンの居留地の特殊な事情は、こちらのブログ記事で分かりやすくまとめられていました。
https://eigamite-monowo-katarite.blogspot.com/2018/07/wind-river.html
この記事を読むと映画ウインドリバーで描かれるストーリーが、より理解しやすくなるので、ぜひ読んでみてください。
最後あたり採掘場のトレーラーハウスの扉前にFBI捜査官がいると言ったのは殺害するつもりだったから
採掘場の従業員たちは最初からジェーンたちを迎えうつつもりだったのでしょう。
マフィアでもない一応一般市民の採掘場の従業員たちがFBI捜査官や地元の保安官たちを殺害してしまったら、かなり大きな事件になってしまいますよね。
それでも機関銃みたいなのを用意したりするということは、たとえFBI捜査官を殺害しても隠してしまうことができると考えていたと思われます。
それかあまりに辺境すぎて孤立しているもんだから採掘場を治外法権エリアと思ってしまうぐらい感覚がマヒしてしまったのかもしれないですね。
ネイティブアメリカンの女性の失踪者数は不明と最後に文字が出たのは問題提起のため
映画の最後は「ネイティブアメリカンの女性失踪者数は不明である」みたいな文字が出てきます。
なぜこの文章を表示する必要があったのか。
それは映画ウインドリバーのような事件が多くあるからだと思われます。
ネイティブアメリカンの居留地では本格的に捜査されないケースがかなりあるのだと訴えたかったのでしょう。
「失踪者」となるのは行方不明になり見つからなくなったからですよね。
本格的な捜査がされないと行方不明者が発見されることが少なくなるでしょう。
そのことを採掘場の従業員のような人々は知っていたので、どんなことをしても良くてちょっとした聞き込みぐらいしかされないと思ってるということなんでしょうね。
アメリカは州法とか連邦法とかあって、いろいろややこしくなることがけっこうあるようです。
ネイティブアメリカンの居留地になるとさらにややこしくなるのだと思われます。
映画ウインドリバーは法制度の問題点について指摘することも視野に入れて、製作されたのではないでしょうか。
ネイティブアメリカンの居留地の現状
居留地に住むネイティブアメリカンには一定の条件を満たすと年金があるのだそう。
映画ウインドリバーで登場した居留地の様子は、決して幸せな雰囲気ではなく退廃的でしたよね。
支給される年金というのは、おそらくそんなに多くはない金額だけれど生活できないほどではないという状態なのではないでしょうか。
若い人が将来こういう仕事をしたいとか、やりたいことがあるからと居留地を出ると年金が支給されなくなるのでしょう。
居留地はウインドリバーみたいな何もない土地であることが多く、暇を持て余した若者たちがドラッグをやり出したりするのだと思います。
大人たちはアルコール依存症の人が非常に多いそうです。
何もない土地でやることもないとアルコールに溺れやすくなりますよね。
このような現状を知ると、まるで「生かさず殺さず」みたいだなと思ってしまいました。
まとめ
ということでネタバレありで映画ウインドリバーの考察をしてみました。
まとめると、
- 居留地のなかにはまるで生かさず殺さずみたいな状態になっているところがあるらしい
- 採掘場は元はネイティブアメリカンの居留地だったのでは?
- FBIが新人捜査官1人だけ派遣してきたのは居留地での事件を重視していないため
- 居留地は法の適用について複雑な事情がある
- 居留地の現状だと無法地帯になりやすい
- 採掘場の人々はFBI捜査官たちを始めから殺害するつもりだった。
- ウインドリバーは問題提起のための映画
といったところです。
結末あたりの至近距離での多人数での撃ち合いシーンが凄まじいです。
そしてコリーの長距離からの人が吹っ飛ぶぐらいの威力ある銃撃が大迫力です。
ほんとコリーは西部劇のヒーローみたいな存在ですね。
採掘場の従業員の「いったい、どこから打たれてるんだ!」っていう叫びは、まさにヒーロー登場という感じで、かっこいいシーンでした。
ウインドリバーは、こういう西部劇のような迫力あるシーンだけでなくネイティブアメリカンの居留地でのひどい現状を知ることができる映画です。
ウインドリバーの考察いかがだったでしょうか?
そこはそうじゃなくて、こういう意味のシーンだよとか、ネイティブアメリカンの現状はもっとこんなふうだとかご存じであればコメントで教えていたけるとうれしいです。
なるべくネタバレなしのウインドリバーの感想記事も書いています。

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