netflixオリジナルの映画「心のカルテ」を観ました。感想やレビューを書きます。
「心のカルテ」が気になるけれど見てみようか迷っているという人は参考にしてください。
ストーリーの浮き沈みは少ないけれど深い余韻を残す映画という評価をしたいと思います。
分かっているんだけど、なぜか抜け出せない…そんな感じの悩みがある人は「心のカルテ」を見ると、ちょっと心がふっと軽くなるでしょう。
大きなネタバレなしで・・・というか、この映画はあんまりネタバレするような出来事はないかな。
あらすじ
拒食症のエレンは、型破りな治療をしている医師ベッカムのもとを訪れた。
「門出の家」と呼ばれる場所で他の拒食症患者と共同生活を送ることになったエレンは、少しずつ心を開いていくのだが…
キャスト
エレン(リリー・コリンズ)
主人公。拒食症患者。過去の出来事からか他人に心を開かないようになった。なげやりになっているが、どうにかしたいとは思っている様子。
ルーク(アレックス・シャープ)
エレンより前に「門出の家」で治療をしていた唯一の男性患者。エレンと仲良くなっていく。
ベッカム医師(キアヌ・リーブス)
エレンを診ることになる拒食症を治療している医師。型破りな治療法を行っているという評判がある。
予告編動画
感想・評価
淡々と進行するストーリーだが退屈はしない
リリー・コリンズが、この映画の役作りのために激やせしたことが話題になったみたいです。
かなり体重を落としたのでしょう。
あとキアヌ・リープスも出演していました。
ストーリーは劇的な展開みたいなのは、あんまりなくて、さらっとした感じで終わりました。
だからといって退屈だったかというと、そうでもなかったです。
登場人物たちが、それぞれの理由を抱えていて、それがあまり表面化しないままストーリーが進んでいきます。
見どころは、ちょっとずつ変わっていく主人公エレンの様子。
過剰に説明的でない演出みたいな感じなので、この映画を観る観客がエレンの中で、なにかが少しずつ変わっていくのを想像するっていうふうになります。
劇的に変わっていくっていうのではなくて、静かにちょっとずつエレンの心の中で、なにかが変わっていく。
そういうところがリアルっぽいです。
ラストシーンが、ああいう感じで終わったのも良かったと思います。
そこはかとなく変化していくエレンの描き方に監督のこだわりみたいなものがあったのかも。
感動して涙するとかそういうのでもないので、なんだか物足りない映画だなって思う人はいるでしょう。
拒食症患者たちの不思議な行動がやるせない
静かな雰囲気が続く中で、拒食症でない人からすれば不思議な患者たちの行動が、なんともやるせないです。
極度に痩せているのに、腹筋をやめられないとか、妊娠しているのにああいうことをするとか、吐いたものをああするとか。
食べる、太るということに、凄まじい強迫観念をもって持ってしまうということのようです。
拒食症に陥ってしまうなんらかのきっかけが「心のカルテ」の拒食症患者たちにはあったのだと思いますが、そのあたりはあまり詳しくは語られません。
主人公エレンが過去に何事があったらしきことが、ちらほらと出てきます。
実際の拒食症患者の姿の写真をネットで見たが思わず目を背けてしまうような凄まじい痩せ方だった。
この人は元バレエダンサーだったようです。
ちょっと調べてみるとバレエダンサーの人で拒食症になる人って多いみたいな感じですね。拒食症は摂食障害とも言います。
実際に摂食障害になった人の写真をネットで見ましたが、凄まじいです。
「心のカルテ」の原題は「TO THE BONE」で骨になるみたいな意味。
この原題の骨になるの通り、本当に骨と皮になったような写真で見ていられなかったです。
映画で出てくる「門出の家」の患者たちは重症とまではいかない人たちってことなんでしょう。
リリー・コリンズが激ヤセした姿を見せるわけですが、そんな激ヤセしたリリー・コリンズが、まだ太っているように見えるぐらいのレベルでした。
体重が減ると微笑むエレンのシーンが印象的
「門出の家」では、患者たちが体重計に乗って体重を計るというテストっぽいのがあります。
エレンが体重計に乗ったシーンが印象的でした。
体重が減っているのを見て、微笑んだように見えたんです。
これが摂食障害ってことなんでしょうね。
これだけ痩せているのに、さらに体重が減って喜びの感情が湧き出てしまい、自分でそれを止めることができないってことなんでしょう。
体重減ってガリガリだけどリリー・コリンズは髪を下ろすと美人
エレン役のリリー・コリンズが髪をまとめてアップにしたり下ろしていたりします。
見ていると髪を下したほうが美人に見えますね。
これは痩せて頬がこけてしまっているのを下した髪が隠したようになるからなのかも。
あと眉毛が太いのが気になったりしました。
そういえば一昔前女性のメイクで眉毛が太いのが流行ったと思いますが(今もかな?)リリー・コリンズが広めたのでしょうか。
眉毛が太いより細目のほうがいいような気がるんですが、個性を出すためでもあるのかも。
リリー・コリンズだから、太い眉毛でも美人のままなのかななんて思ったりしました。
拒食症患者が共同生活をする理由は「感情」を思い出すため?
「門出の家」でエレンは他の患者たちと打ち解け合ってきて、だんだんと笑顔が出てくるようになります。
その過程が良かったです。
拒食症患者っていうのは、栄養不足に陥り思考力が低下したり感情表現が乏しくなっていったりするみたいです。
「門出の家」は、エレンと同じ拒食症患者たちだったから心を開きやすかったんでしょう。
とくにルークという男性患者と、だんだんと打ち解け合って、楽しい雰囲気で会話する様子が、ほっこりしました。
本来の健康的なエレンの姿がそこにありました。
「門出の家」で共同生活をするのも一つの治療なんでしょう。
拒食症になると感情表現が乏しくなるといいますから、同じ境遇の他の患者と打ち解け合うことで健康的な感情というものを思い出してもらおうとする試みなのかもしれません。
映画で出てくるTumblr(タンブラー)とは?
映画「心のカルテ」ではTumblr(タンブラー)っていうのがセリフの中で出てきます。
エレンがTumblr(タンブラー)で自分の作品を公開していて、それを見た人が…っていうくだりです。
Tumblr(タンブラー)ってなにかというとブログ+SNSのようなサービスで人気があるとのこと。
Tumblr(タンブラー)公式サイト
https://www.tumblr.com/
ブログサービスなら多くありますが、Tumblr(タンブラー)はオシャレ風なブログを作れるってことで人気のようです。(日本では知名度がいまいちのようですが)
カスタマイズができて、アーティストが自分の公式サイトとしてTumblr(タンブラー)を利用しているケースがあります。
Tumblr(タンブラー)を使っている人同士でチャットができたりします。
エレンは、このサービスを利用していたという設定になっています。
拒食症患者に悪影響という理由で配信停止を求められている問題作
「心のカルテ」は問題作となっているみたいですね。
配信停止を求められている理由は、この映画を見た拒食症患者に悪影響だからということみたいです。
拒食症ではない人がこの映画を見ても、「へぇ?拒食症の人ってこんな感じなんだ」と思うぐらいでしょう。
でも、拒食症患者の人がこの映画をみたら、深く心に突き刺さることがあるのでしょう。
監督はマーティ・ノクソン。
監督自身が拒食症の体験者です。
拒食症を体験した監督が作った映画ですから、なにかしら現在拒食症で苦しんでいる人にいい影響があればという思いで、この映画を作ったのではないでしょうか。
観客がどう思うかは人それぞれのところがあります。
なので、どんなに良かれと思って映画を作っても観客がどう感じるかは分からないわけですが。
ラストシーンに監督の想いが入っているように思います。
もっと観客受けを狙ったなら劇的な展開にしたはずです。
まとめ
映画「心のカルテ」は、各所で絶賛されてオススメされるような映画ではないでしょう。
じわじわと観る人が増えていく映画だと思います。
なかなか抜け出せない悩みから、静かに解放されていく。
そんな映画をみたい人におすすめしたいです。
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