「15時17分、パリ行き」クリント・イーストウッド監督、かなり思い切った映画作りましたね。
タリス銃乱射事件という実際にあった走行中の列車でのテロ事件を再現した映画です。
実話もの映画へ本人たちに自分役で出演してもらう。
この手法で映画を作ることに自信はあったけれど批判されることも覚悟のうえで製作したのではないでしょうか。
事件発生までの淡々とした長いシーンを、
- 「なぜか飽きないな」
- 「なるほど、スペンサーはこういうふうな人物だんだ。」
と関心を持って観ていられる人には興味深い映画でしょう。
ですが、
- 「う~ん、なんか事件とぜんぜん関係なくない?」
- 「こんなにも長くする必要ないシーンじゃないの?」
と感じてしまう人には合わない映画になってしまうと思います。
いろいろと興味深い映画でした。
それでは「15時17分、パリ行き」の感想や評価をレビューしていくので動画配信サービスで視聴するかどうか参考にしてください。
「15時17分、パリ行き」は、こういう人におすすめ
- ドキュメンタリータッチの映画が好き
- 実話ものが好きな人
- クリント・イーストウッド監督作品のファン
- 実験的な映画が観てみたい人
予告編
「15時17分、パリ行き」の予告編はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=p_ty9Cju9oY
あらすじ(だいたいのストーリー)
「15時17分、パリ行き」の内容はこんな感じです。
スペンサー、アンソニー、アレクの3人は子どものころから仲の良い友達だった。
そんな彼らが3人でヨーロッパの旅行に行くことになり、ある列車に乗ることになる。
その列車でテロが起ころうとしていた。
居合わせた3人がとった行動とは・・・。
監督・キャスト(登場人物)
監督
クリント・イーストウッド
役名(俳優)
スペンサー・ストーン(本人)
こどものころから注意ばかりされていた。正義感の強い気のいい男である。
アンソニー・サドラー(本人)
大学生。スペンサーやアレクとは子どものころからの親友。
アレク・スカラトス(本人)
軍人となり海外に派遣されていた。
感想・評価
なるべくネタバレなし
かなり思い切った作り方をした映画
「15時17分、パリ行き」本人たちが自分の役でそのまま出演していると知ってはいたんだけれど、それ以上に映画の作り方がかなり思い切ってました。
ほぼドキュメンタリーに近いような映画っぽい演出がほぼないんじゃないかというぐらい「そのまま」の映像がずっと流れます。
唯一映画だなって思ったのが走る列車を上空から撮影しているシーン。
それ以外はほぼ主演3人の日常風景を透明人間が透明なカメラで普通に撮影してるだけみたいなシーンがずっと続きます。
列車で事件が発生することは分かっていますから、
「いつ列車で事件が発生するんだろう」
「なるほど、こういう人物だからこその行動だったんだ」
というような見方はできます。
でもこれは「なにこれ?」って思ってしまって途中で観るのを止める人もいるんだろうな~って思ったりしました。
たまに時間軸が変わるところがあり、そこらへんは映画的でしたね。
ものすごい日常風景を見ることになるけど不思議と飽きない
事件を防いだ男性3人それぞれの子どものころの出来事や大人になってからの生活、そして旅行を楽しんでいる様子などの映像が事件発生まで長時間続きます。
ふつうこういう赤の他人の日常風景を見せられてもすぐに飽きてしまうんじゃないかと思うんですが、そうでもないから不思議です。
ここらへんがクリント・イーストウッドの監督としての手腕が発揮されているからってことなんでしょうか。
なんかすんごい日常風景が続くな・・・と思ってたんですが、ふとこれって旅動画と一緒なのかもと思いました。
旅動画ってなにかというとニコニコ動画やyoutubeで自分の旅の様子を撮影して動画として編集してアップしているやつです。
他人の旅の様子なんですけれど、これが面白いのがけっこうあるんですよね。
「15時17分、パリ行き」でも主演3人の男性の旅の様子がとくに劇的な感じじゃなく普通に撮影されたシーンが長時間流れます。
クラブで踊るシーンなんかは映画っぽかったですけどね。
一般の人の旅の動画って、その人の旅を追体験しているみたいで面白いんです。
それで「15時17分、パリ行き」ずっと飽きずに観ることができたのかなって思います。
あと他人の日常をのぞき見る面白さっていうのもあるんでしょう。
犯人を取り押さえるシーンは緊迫感あふれる迫力あるシーンだった
たまに時間軸が変わることがあるんですが、映画の最後あたりでいよいよ犯人取り押さえシーンがはじまります。
「いよいよ来たか!」
って思って観てたら、やっぱりすんごい緊迫感ありましたね。
怖ろし気な音楽とか一切ならずに必死に犯人を取り押さえるシーンが続いて息がつまりそうな感じで見入ってました。
取り押さえシーンを観ていて思ったのは、必死に抵抗する人を抑え込むのはかなり大変なことなんだろうなってことです。
娯楽性の強い映画なんかだと、顔面パンチとか一回殴っただけで気絶してしまうっていうシーンがよくありますが、たぶんリアルだと達人でもない限り一発で相手を失神させてしまうなんてことはできるもんじゃないんでしょうね。
それにしてもスペンサーものすごい体格してますね。
元から体がでかくて、さらに軍人としての訓練を積んだから筋肉のかたまりみたいになってるんじゃないでしょうか。
つまりは再現ドラマの豪華版映画っぽい
たぶん「15時17分、パリ行き」の手法を真似して経験の浅い映画監督が作っても、すごく退屈な映画になってしまうんじゃないのかななんて思います。
それならインタビューと当時を再現したドラマのほうが、まだ面白いってなりそうです。
「15時17分、パリ行き」は事件の再現ドラマ部分をすごく豪華にした映画っていう作り方ですよね。
クリント・イーストウッド監督以外で、こんなにも「そのまんま」な映画を作って飽きさせないっていうことができる人っているのでしょうか。
しかもたぶん全世界で公開される映画ですよね。
クリント・イーストウッド監督じゃないとOKがでない手法なんでしょう。
多くの称賛とちょっとした批判が想像できてしまう
スペンサーたちの勇気ある列車での行動は称えられるべきものですよね。
フランスでも称賛されたし映画の最後での地元での出来事もすごいなって思いました。
地元でのことはアメリカらしいと言えるのかな。
やっぱりヒーローをたたえるってことなんでしょうね。
でもちらっと思ったのが称えられるべきことだけれど真似する人が出てきたら危ないっていう批判がありそうです。
列車の走行中という閉じ込められた空間の中で、もしスペンサーたちが行動を起こさなかったらどうなっていたのか・・・
そう考えると的外れな批判なんでしょう。
スペンサーは軍人として訓練を受けていたし体もでかいので犯人を取り押さえる自信があったのだと思います。
その後、スペンサーなんですが、まったく別の事件で重傷を負ってしまっているんです。
仏列車襲撃阻止の米兵、バーで刺され重傷 女性助けトラブルか
http://www.afpbb.com/articles/-/3062648
スペンサー無事だったようで良かったです。
「15時17分、パリ行き」の感想まとめ
ということで「15時17分、パリ行き」の感想でした。
まとめると、
- かなり実験的手法の映画
- 他人の日常を見せられるけど、なぜか飽きない
- 犯人取り押さえシーンは緊迫感がすごかった
- つまりは再現ドラマの豪華版ってことかな
といったところです。
普段からたくさん映画を観る人ほど「15時17分、パリ行き」の映画の作り方には新鮮さを覚えるのではないでしょうか。
本人たちが自分役で出ているわけですが、ぜんぜん演技してるっていう感じがしなくて、そのこともすごいなって思いました。
娯楽大作映画など観すぎて飽きてきた人は「15時17分、パリ行き」観ると、よりすごいなって思えるでしょう。
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