
「ザ・サークル」って面白いのかな。
という人のためにAmazonプライムビデオで映画「ザ・サークル」を観たブログ管理人シエン(@tetete437)が感想を書いています。
この「ザ・サークル」の感想記事を読んでいただくと、自分の趣味に合うのか面白いのかが分かりますよ。
ですので、つまらない映画を観て時間を損したってことにはなりません。
ひとこと感想&評価(5点満点)
ITやSNSについて興味がない人や、ラストシーンがはっきりと理解できる映画が好みの人にはオススメしません。
それでは映画「ザ・サークル」のあらすじ、監督・キャスト、感想をどうぞ!
あらすじ
メイは巨大IT企業「サークル」に転職した。
「サークル」は職場環境が良くメイは満足していたが、どこかおかしさも感じていた。
あるときメイはカヌーで立ち入り禁止の領域まで漕いでいってしまう。
そして荒波にのまれてしまうが、「サークル」開発の超小型カメラによって救われる。
それからというものメイは疑問があった「サークル」への態度が一変し会社の顔となっていくのだった。
しかし、「サークル」の理想やサービスによってメイの状況は変化していく。
監督・キャスト
監督ジェームズ・ポンソルト
メイ・ホランド(エマ・ワトソン)
「サークル」の理念に共感し実践していくが、しだいに状況が変化していく。
イーモン・ベイリー(トム・ハンクス)
「サークル」のCEO。すべてをオープンにすることで世界は良くなるという理念を持っている。
トム・ハンクスは「キャストアウェイ」や「ペンタゴンペーパーズ」「ハドソン川の奇跡」など数多くの作品に出演しています。
感想(ネタバレ一部あり)
最後の項目は【ネタバレあり】で考察しています。
あんまり面白くなかった。つまらない。

映画が始まったときは、
だったので期待しつつ観てたんですが、なんだかよくあるストーリーになっていきラストが雑だったので残念でした。
サークルが行うサービスがすんなり受け入れられすぎていく違和感
SNSがすべてを透明化させることで常に誰かが見ていることになり、人々は悪いことができなくなって社会が平和になるという思想がテーマの1つ。
たしかに常に誰かに見られていると分かれば悪いことできなくなりますが、だからといってプライバシーがゼロになることを、多くの人たちは受け入れないですよね。
ところが映画「ザ・サークル」では、あんまり議論なしに社会にそういうプライバシーがなくなっていくことが、すんなりと受け入れられていっていることに違和感があります。
ようするにリアルで実現するかどうかは別にして、映画のなかでは実現したことにして現代のネット+スマホ+SNSの良いところと負の面を極端にしてみた様子を映画で描いているんですね。
サークルのサービスが無双すぎる
そうした負の面を極端に描くことで、思考実験的なストーリーになっていくとこは面白いんですが、あんまりにもすんなり事が進みすぎて、

「なんで、みんなプライバシーなくなっていくことを、すんなり受け入れていくのかな。」
ということが疑問に思えてきてしまうんです。
もうちょっと丁寧にサークルが及ぼす社会の変容とか分かるシーンがあると、興味深く観れたんだと思います。
でもいい線いってるんですよね。
ちょっとしたことで過激にいちゃもんつけだす炎上の仕方とか。
期待させる始まりだったが、ありきたりになりラストはあいまいで消化不良

「ザ・サークル」途中までは「さあ、ここからどうなるのか。」という期待があったんですが、ラストがあんなふうに雑だと、

「ん?結局、どうなったの?」
という置いてけぼり状態になってしまって、消化不良のままのエンド。
主人公は結局なにがしたかったのか、「世界が変わる」とか言ってたんだけど「それで世界が変わるの?」と疑問に思えたり、もうなんかゴッチャゴチャなまま。
【余談】エマ・ワトソンが24時間youtubeの生放送で私生活公開してたら、投げ銭だけで莫大な額稼ぎそう。

「ザ・サークル」エマ・ワトソン演じるメイ・ホランドが、自分にネット常時接続の超小型カメラをつけて、24時間ずっと自分の生活をリアルタイム配信します。
トイレ行くときとかは配信しません。
自分のすべてを共有する(オープンにする)ことで、悪いことはできなくなり理想的な自分になれるみたいな思想を実践するんですね。
それで観てて思ったのが、これってyoutubeの生放送で自分の生活を全力で公開してるようなものだなってこと。
たしかスーパーチャットとかいうのがあるんですよねyoutube。
もしエマ・ワトソンが自分の生活のほとんどすべてをyoutubeで生放送してたら、このスーパーチャットでものすごく稼ぎそうです(笑)
SNSの負の面。怖いとこが全力で表現されてた【炎上・私刑】

「ザ・サークル」SNSの負の面が全力で描かれてます。
炎上から私刑、相互監視の窮屈さなどなど。
怖いなと思ったのが、ちょっとしたことでネット民が全力で特定の人物を誹謗中傷しまくるところ。
どんなことかは「ザ・サークル」観てほしいんですが、こんなことで相手を追い詰めてしまうほど、みんなが叩きまくるのかという恐怖を感じさせます。
「ザ・サークル」で描かれることは一見非現実的に思えるかもしれないんですが、技術がもっと上がった時代であれば現実になってしまいそうなとこが怖いんですね。
映像がきれいで心地いい

「ザ・サークル」でもっとも良かったのは映像がきれいだったこと。
すごく繊細で色調が落ち着くものになっていて、観てて心地よかったです。
自然光っぽいのも取りいれられてたんじゃないかと思います。
デヴィッド・フィンチャーっぽい映像だなって感じました。
あと、このシーンの裏でいろいろと起りつつあるという予感を感じさせる音楽も良かった。
【考察】メイのラストシーンを考える。SNSのやりすぎな危険性を伝えたいのかも。【ネタバレあり】
ラストあたりが、あまりに雑で残念だったんですが監督としては想像の余地を残すシーンにしたんだと思います。
「どう受け取るかは観客の想像にまかせる。」というやつですね。
それはそれでいいんですが、

「え?これってどういうことなんだろう。考えてみたいな。」
と思わせる魅力を感じられなかったんですね。
それでもラストを考察してみる。SNSの危うさを暗示している。
でも、あえて考察してみます。
サークルという会社は人のプライベートも全部オープンにすれば、悪いことができなくなるなど「世界はよくなる」という思想を実践しています。
悪だくみってたいていは密室で行われますよね。
しかし、自分のプライベートも全てオープンにしたせいで、主人公のメイはボロボロになってしまいます。
メイが社長にしたのは、ただの仕返し
そこでメイがラストでやったことは、
「それなら、お前らも自分を全部オープンにしてみろ。」とサークルの社長っぽい人に仕返しをしたのでしょう。
自分を全部オープンにすれば世界が良くなるっていうんなら、そう提唱する自分たちがまずやってみてよってことです。
ラストシーンは、メイの精神状態がおかしくなる描写でSNSへの警鐘を暗示している
そしてラストシーン。
趣味でやってるカヌーを漕いでいるのときにも、ドローンが追いかけてきて自分を映している。
そのドローンに向かってメイが笑顔であいさつします。
これって、メイがもう開き直って「私の生活すべてをオープンにしてやるわ。好きにして。」ってなり精神状態がおかしくなったことを表現しているのかな。
そして、世の中の人々がメイのようになってしまう危険性を暗示しているってことなのかも。
どこにいても追いかけられ見られているメイ。
ラストシーンのメイの笑顔には悲しみが隠されているのかもしれません。
SNSの群集心理の怖さ
現代社会はSNSで過剰なほど他人を叩く行為が横行してますよね。
叩く側がほぼ匿名で、おそらく「みんながやってるから、おれ(わたし)もやっていいだろう。」という群集心理も働いているのでしょう。
技術が上がっていけば、映画「ザ・サークル」のように私刑と同じような行為に収束してしまうことが多くなることも考えられるわけです。
そして叩かれた本人は苦しみ続けるけれど、騒ぎが収まると叩いた側の群衆たちは、そのことを忘れていく…。
こうしたSNSの負の面の危険性を映画「ザ・サークル」は伝えたかったのかもしれません。
原作小説あり(デイヴ エガーズ著)
映画「ザ・サークル」には原作小説があります。
映画はいまひとつ面白くなかったんですが、原作小説のレビュー読んでみると好評なのでデイヴ・エガーズが書いた小説のほうが物語の奥深さがありそう。
映画版はたぶん小説そのままを再現してるってことではなく、もっと現代社会とSNSへの批判めいたものが書かれているのではないでしょうか。
それにしても原作者のデイヴ・エガーズ、SNSが嫌いなのかな。どうなんでしょう。
「ザ・サークル」感想まとめ
ということで映画「ザ・サークル」のレビューでした。
まとめると、
といったところでしょうか。
SNSの負の面の描き方や映像がきれいなとこは良かったんですが、ラストで台無しになってしまったのではないでしょうか。
メイがただ仕返しみたいなことをするんじゃなくて、「世界が変わる」ようなことをするっていう結末だと、もっと面白い映画と感じることができたのかもしれません。
「ザ・サークル」を見る方法
「ザ・サークル」を見る方法があります。
もちろん違法な視聴方法ではなく、ちゃんと正しく安全安心に視聴することが可能。
以下のサブスク動画配信サービスで観れますよ(2020年5月7日時点)
(配信状況が変わっていることがあります。最新の情報は各サービスにてご確認ください。)
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