「いただきガール」って面白いのかな。
という人のためにインディーズ邦画配信サイト「DOKUSO映画館」で「いただきガール」を観たブログ管理人シエン(@tetete437)が感想を書いています。
この「いただきガール」の感想記事を見ていただくと、自分の趣味に合うのか面白いのかが分かりますよ。
ですので、「いただきガール」を観るかどうかこの記事を参考にしていただければ、つまらない映画を観て時間を損したってことにはなりません。
ひとこと感想&評価(5点満点)
2時間ほどある長編映画が観たい人や、都会を舞台にした物語ご観たい人にはオススメしません。
それでは「いただきガール」の予告編、あらすじ、監督・キャスト、ネタバレなしの感想をどうぞ!
予告編・あらすじ
東京で暮らしていた星南(せいな)は、あるニュースを観て故郷香川県高松市に帰ってきた。
星南のおばあちゃんは”いただきさん”をしている。
嫌々ながらおばあちゃんの手伝いを始める星南。
東京から帰ってきた星南は自分がどう生きればいいのか迷っていた。
そんなある日、ある事が起こるのだが…。
監督・キャスト
監督かまだともゆき
星南(せいな)/向井花
主人公。東京から故郷の高松に帰ってくる
おばあちゃん/中越恵美
高松で、ずっと”いただきさん”をしている
感想(ネタバレなし)
ストーリー部分のネタバレなしでレビューしています。
ほっこり癒される中編映画(50分間)
映像がキレイでかなり本格的な映画だなっと思って観てたら「ああもう終わりなんだ。」という短い映画でした。
それもそのはず上映時間50分の中編映画だったんですね。
なんだ。そんなに短い映画だと見応えないんじゃ
と思われるかもしれません。
しかし、「いただきガール」は50分間のなかで濃密なドラマを観せてくれます。
ストーリーはシンプルだが最後まで飽きずに観れる
おばあちゃんのことが心配になって、東京から帰ってきた孫娘
というだけのシンプルさ。
ある秘密も用意されています。
といっても推理を楽しむみたいな映画ではありません。
シンプルなストーリーのなかで、家族愛について丁寧に描かれており見応えがありますよ。
映像が美しい。撮影担当宮川幸大の力なのかな
「いただきガール」映像がすごくきれいでした。
など、たぶんいろんな技法が用いられてきれいな映像を実現されているのだと思います。
光が用いられているというのはたとえばある人物を映すときに、
太陽からの光が画面の奥から手前に向かってやさしく光ってくる
みたいな雰囲気になっている状態。
おそらく「逆光」の状態をうまく利用しているのかな。
「逆光」の風景って、たとえばこういう写真みたいな色合いの映像のことですね。
他の映画で、こういう逆光盛り沢山のきれいな映像あんまり観たことないかなと思います。
「いただきガール」のきれいな映像を観て思い出したのは「天気の子」「君の名は。」などで有名な新海誠監督の作品。
新海誠作品でも「逆光」の描写が多く、映像がすごくきれいで印象に残るシーンが多いです。
と、表現方法はまったく違いますが「光」を効果的に使ったきれいな映像は見どころになっていますね。
いただきガール=「いただきさん」とは、魚を売り歩く人のこと
映画タイトル「いただきガール」とは、「いただきさん」のことです。
では、「いただきさん」とはなんなのか。
自転車などで鮮魚を行商する人を糸より姫にちなんで”いただきさん” と呼んでいる
http://www.itadakisan.com/whatsitadakisan/
「いただきさんの海鮮食堂」より引用
シンプルに言うと、魚市場で魚を仕入れて街で売り歩く人のことを”いただきさん”と香川県の高松では呼んでいるそうです。
2020年現在でも、”いただきさん”は活躍しているとのこと。
映画「いただきガール」は、この”いただきさん”である主人公のおばあちゃんが主要な登場人物となっています。
主人公のおばあちゃん以外にも、”いただきさん”仲間の方たちが出ていますよ。
演技がみんな”自然さ”があって良かった
セリフが棒読みだったり、あまりにもわざとらしすぎたり、やたらとバタバタしてたり…
といったことが目立つ映画だと、観ていてちょっとげんなりしてしまいますよね。
「いただきガール」は、そういった”演技の下手さ”みたいなのがなくて、ストーリーに集中して観ることができました。
役者さんが、みんな自然なんですよね。
メインキャスト以外の脇役の人たちも、みんな違和感のない演技だなって感じました。
ラストで主人公に話しかける人たちが、あまりに自然すぎるのがすごかった
とくに僕がすごいなと思ったのが、ラストで主人公に話しかける人たち。
あまりにも自然すぎる話し方で、
これって演技してるの?
と疑うレベルでした。
じつは映画の撮影っていうのを明かさないで、たまたま通りかかった一般の人の様子を撮影してたのかな・・・と思うレベルです。
まあたぶんそんなことはないと思うんですが。
もちろんメインキャストの向井花さん、中越恵美さん、岡田健太郎さんの演技もすごく自然さがあって、物語に入り込んで集中して観ることができました。
中越恵美さんのいただきさん、長年この仕事をやってきたという雰囲気が出てて良かったです。
中越恵美さんは芸歴40年のベテランの方なんだそうで、さすがといったところなんでしょう。
あと讃岐弁があったかい雰囲気の言葉で、聞いてて心地よかったですね。
セリフが聴き取りやすくて観やすかった
邦画で、たまにものすごくセリフが聞き取りにくい映画があったりします。
洋画は字幕で観るのでセリフの聞き取りやすさって関係ないんですが、邦画だとたまに「なんて言ってるんだろう?」っていう状態になることがあるんですね。
「いただきガール」はセリフが聞き取りやすかった。
わざとセリフを聞きとりにくいままにする作品もあるそう
邦画でセリフが聞き取りにくい作品があるのって、どうやら狙ってやっていることがあるそうです。
という効果を狙っているというのを、なにかのインタビュー記事で読んだことがあります。
あまりセリフをハッキリと聞き取りやすくすると、いかにも芝居をしてる演劇をしてるっていう雰囲気になってしまうので、あえて聞き取りにくいセリフのままにしてるっていう狙いもあるそうですね。
「いただきガール」は、セリフが聞き取りやすくてもわざとらしさはなかった
では「いただきガール」セリフが聞き取りやすかったので、いかにも芝居・演劇してるっていう雰囲気になっていたかというと、僕はそうは感じませんでした。
やっぱり、セリフ聞き取りやすいほうがいいな。
という印象を持ちましたね。
セリフが聞き取りやすいからといって、いかにも演技・芝居してるわざとらしさを感じることはなく、自然さがあって良かったです。
たしかにリアルの会話で、ある程度聞き取りにくいことはあるが
普段暮らしてるなかで、たしかに人と話すとき言ってること全部聞き取れなくても、予測することで会話が成立してたりしますよね。
それにたぶん日本語は「相手は分かってる」という前提のもとに、あいまいな感じで話すことはよくあることです。
「わざと聞き取りにくいセリフ」という演出をすることで、よりリアルさを出すという手法はよく用いられるのかもしれません。
ただ僕は「いただきガール」を観て、やっぱりセリフは聞き取りやすいほうがいいなと感じたしだいです。
かまだともゆき監督の長編を観てみたいと思った
「いただきガール」の監督はかまだともゆきさん。
「いただきガール」観終わって、かまだともゆき監督の長編映画も観てみたいなと思いました。
50分間で良質な物語、映像、音楽を体験できて満足でしたが、このテイストで長編だともっと没入感ある映画が観れそうな気がします。
サウンドトラック良い
「いただきガール」の音楽を担当したのはHideyuki Hashimoto
ピアノの静謐で儚さのある曲が「いただきガール」にピッタリの音楽となっています。
たぶん録音のときに環境音とかピアノが動く音?みたいなの全てを入れたのかな。
ピアノの音以外にもなにか聞こえてくるとこが、いい雰囲気になっていますね。
このHideyuki Hashimotoのピアノの音を聞いて思い出したのが、「聲の形」の牛尾憲輔のピアノの音。
同じような手法で録音されたのかな~って思ったりしました。
「いただきガール」のHideyuki Hashimotoの劇伴気に入った人は、「聲の形」の牛尾憲輔のピアノの音もぜひ聴いてみてください。
「いただきガール」ネタバレなし感想まとめ
ということで、「いただきガール」のネタバレなしのレビューでした。
まとめると、
といったところです。
「いただきガール」映像がとってもきれいで、ストーリーも穏やかで切なさがあって良かったですね。
香川県高松市に昔住んでいた、今も暮らしているという人は「いただきガール」ぜひ観てみましょう。
といった感じで楽しめると思います。
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