映画アルキメデスの大戦って面白いのかな?
という人のために劇場でアルキメデスの大戦を観てきた僕が感想を書いています。
この映画アルキメデスの大戦の感想記事を読んでいただくと、自分の好みに合うのか面白いのかが分かります。
ですので、つまらない映画を観て時間を損したってことにはならないですよ。
ひとこと感想「二転三転するラスト見応えあり。日本という国の弱点に関心がある人にも興味深い映画。」
評価歴史を忠実に再現してる歴史映画や、なにも考えずに笑えるコメディ映画を観たい人にはオススメしません。
大きなネタバレなしの感想になっています。
それでは映画アルキメデスの大戦のあらすじと感想をどうぞ!
大きなネタバレなしです。
映画「アルキメデスの大戦」あらすじ
世界情勢が悪化するなか日本は限られた予算の中、新たな軍艦建造計画を進めていた。
候補にあがったのは戦艦と空母だった。
会議はもめたが戦艦建造派が今までにない大型戦艦の建造計画を用意していることが明かされると、その大型戦艦は海軍を象徴する素晴らしいものだという意見が大きくなった。
これからの戦争は空母と戦闘機の航空力が重要になると考えていた山本五十六は大型戦艦の建造費の見積もり費用が低すぎることに目をつける。
山本五十六は大型戦艦の見積もりに不正があることを証明するために、数学の天才櫂直(かい ただし)に短期間で大型戦艦の正当な見積もりを出すように命ずるのだが…
映画「アルキメデスの大戦」ネタバレなし感想
2転3転するラストが、なるほどという感じ。
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アルキメデスの大戦、ラストは史実通りの戦艦大和建造決定に、どう決着させるのかな〜と観ていました。
「ああなるほど。こういう理由で戦艦大和建造になるのか。」と思ったら、そこからさらに変わっていって最終的にはああいう結末になって「なるほどな〜」という感じでした。
映画アルキメデスの大戦で描かれた戦艦大和建造決定の理由を観た観客のなかには「そんな理由で国の命運を左右する建造の可否が決まるわけがない」と思う人がいるかもしれません。
理由というか戦艦大和が決定的になった原因についてですね。
でもエンジニア(設計とかものづくりする人)には、そういうものがあると、現代のエンジニアの人のなかでも共感する方がけっこういるんじゃないかという気がしてきます。
映画のセリフにありましたが、まさに「同志」だからこそ理解できる心境ということですね。
菅田将暉演じる主人公櫂直(かい ただし)が数学的美しさを崇拝しているのが伏線になっています。
最後のあたりの戦艦大和設計者の平山の問いに対する櫂直の返事がハッキリとした「はい。」じゃなかったとこは、まさに”あらがえない”心情が現れていて良かったです。
ほんと、こういう返事の仕方になるんでしょうね。
映画は山崎貴監督オリジナルの脚本
と、この文章書いていて思ったんですが、映画「アルキメデスの大戦」は史実を元にしたフィクションです。
そして原作マンガは実はまだ完結していないんですよね(2019年9月現在)
映画アルキメデスの大戦のラストは山崎貴監督のオリジナル脚本なんだそうです。
原作の作者三田紀房(みた のりふさ)先生がラストをどうするのか分かりませんが、歴史ifストーリーになったりしたら面白そうです。
原作マンガでは史実より早く実現した出来事があるストーリーになったりしてるみたいですね。
主人公櫂直が「数学的美しさ」に没頭するとこが見どころの1つ。
なにかに没頭してる人が「なんで、この楽しさが分からないんだ」と興味を持たない他人に対して思う様子が、ありありと再現されていました。
なんか櫂直みたいになにかに没頭できる人って、すごくうらやましいんですよね。
アルキメデスの大戦は主人公櫂直が数学的美しさに没頭する様子を観て楽しむ映画でもあります。
そんな櫂直が没頭するシーンで印象的だったシーンが、期日が迫って大変な時なのに設計図を書いているとき笑顔だったところ。
よくバトルマンガで戦いのとき追いつめられてるのに「あいつ、笑ってやがる。」となるのと一緒ですね。
むっちゃ大変なのに櫂直は数学的美しさを再現する「設計図を書く作業」そのものが楽しくて仕方がないわけです。
戦闘シーンは大迫力。最初のシーンの戦艦大和は実物に見えるほどすごかった。
映画冒頭、戦艦大和が米軍戦闘機に猛攻撃を受けて沈む様子が描かれます。
けっこう大迫力です。
特殊効果を使ってるんだろうなと分かっていてもリアルでした。
爆発で立ち昇る黒煙が本物にしか見えなかったですね。
最初の戦闘シーンは史実をかなりリアルに再現している。
この映画冒頭の戦闘シーン、史実をなるべくリアルに再現しているそうです。
本当に映画のように戦艦大和が沈んだんだと思うと、当時の乗員の方々はどうしようもなかったんだと思い知らされる感じがします。
あれだけの米軍の戦闘機に猛攻撃されたら、どれだけ巨大な大砲があっても役立たないって分かりますね。
ただ派手な戦闘シーンは、この映画冒頭だけです。
なので軍事もの映画ということで戦闘シーンを期待している人は、あんまり満足できないことになるかもしれません。
戦闘機から脱出したアメリカ兵を救出する米軍を見続ける日本兵士のシーンが象徴的っぽい。
映画冒頭の戦闘シーンで印象的だったのが、撃墜されて脱出したアメリカ兵パイロットを米軍がしっかりと救出している様子を呆然と見つめる日本兵のシーンです。
なるべく史実通りに再現した戦闘シーンだそうなので、このパイロット救出も本当にあった出来事なのかもしれません。
救出される様子を戦艦大和から見ていた日本兵は、どういう思いだったのでしょうか。
パイロットを救出できる余力がある米軍には、もう敵わないと思ったのか、
撃墜されたパイロットでも見捨てない米軍に日本軍との兵士の扱いの差を感じたのか…
調べてみると当時の日本軍は墜落したパイロットの救出をしなかったそうです。
戦闘機の防御装備の軽視と墜落した搭乗員の救助をしなかったことかと思います。
http://histori-ai.net/archives/124
「Historiai」日米のパイロットの育成と人命尊重の比較より引用
こちらの記事を読ませていただくと、アルキメデスの大戦で戦艦大和の日本兵が救出されるアメリカ兵をどういった気持ちで見ていたのかが、分かるような気がしてきます。
また日本軍と米軍の人的資源の考え方の違いが分かったりして、なるほど〜と思います。
戦闘中に救出されるアメリカ兵パイロットを見た戦艦大和の日本兵士は「信じられない」という気持ちで、救出されるアメリカ兵パイロットを見ていたのでしょうか。
櫂直の補佐をする田中正二郎が面白くて良かった。
柄本佑演じる田中正二郎が面白かったです。
最初は山本五十六に敬意を表さない櫂直に腹を立ててたりしているんですが、だんだんと櫂直を尊敬するようになっていくんです。
その田中正二郎の変化が良かったですね。
田中正二郎は、たぶん典型的な日本軍人の若者という感じで、すごく素直なんですよね。
だから最初は軍がどうなろうと自分は知ったこっちゃないという態度の櫂直に田中は腹を立てます。
嫌々櫂直を手伝っていた田中ですが、少しずつ櫂直を積極的に手伝うようになります。
こういう田中正二郎の変化に注目してみてください。
マンガ的で演劇の舞台を観てるような感じになるときがあって、一瞬醒めてしまうときがあった。
人によると思うんですけど、
- 「なんかマンガがそのまま再現されてるようで違和感あるな。」
- 「なんでやたらとバタバタするんだろ?なんで、みんなそんなに叫びまくるんだろ?」
という違和感を感じることがあって、ストーリーに入り込んで見ていたのに一瞬醒めてしまう瞬間がありました。
マンガだと自然に受け入れられるシーンでも、そのマンガをそのまま実写で再現すると違和感があるみたいな感じですね。
このシーンって演劇の舞台で演じてる感じだなってなることもありました。
僕は演技とかど素人でなんにも知らないので、ただの思い込みで勘違いなのかもしれません。
洋画だとほぼこういう違和感がないんですが、実写の邦画だとたまにこういう違和感があります。
「これだから邦画は…」みたいな偏見があるのかも。
邦画をもっとよく観るようになったら、こういう違和感はなくなるのかもしれません。
舘ひろしに専任のヘアメイクがいてびっくり。
映画アルキメデスの大戦の感想とはなんの関係もないんですが、エンドロールで舘ひろしに専任のヘアメイクがいることが分かって、ちょっとびっくりしました。
舘ひろしは山本五十六役です。
役作りのために短髪にしたそうです。
あの髪型に専任のヘアメイクがいるのかななんて思ってしまったんですが、あの髪型の準備をするために撮影前にけっこう準備がかかるのかもしれないですね。
同じように思った人はいるみたいですね。
映画「アルキメデスの大戦」感想まとめ
ということで映画「アルキメデスの大戦」の感想でした。
まとめると、
- 2転3転するラストが見応えあり。
- 演劇の舞台を観てる感じがして一瞬醒めてしまうことがあった。
- 主人公櫂直が数学的「美しさ」に没頭する様子が良かった。
- 映画冒頭の戦艦大和と米軍戦闘機の戦闘シーンは大迫力でリアル。
- 救出されるアメリカ兵パイロットを見つめる日本兵のシーンが印象的だった。
- 櫂直の補佐をする田中正二郎の変化が面白い。
といったところです。
軍事にくわしい人だけでなく、社会情勢に関心がある人、論理的な考え方が好きな人にもオススメできる映画です。
三田紀房の原作マンガは映画版よりも、たくさんのストーリーがあるようなので読んでみたいですね。
アルキメデスの大戦(1) (ヤンマガKCスペシャル)
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