
映画「キングオブコメディ」って面白いのかな。
という人のためにAmazonプライムビデオで「キングオブコメディ」を観たブログ管理人シエン(@tetete437)が感想を書いています。
この「キングオブコメディ」の感想記事を読んでいただくと、自分の趣味に合うのか面白いのかが分かりますよ。
ですので、つまらない映画を観て時間を損したっていうことにはなりません。
ひとこと感想&評価(5点満点)
- 社会から弾き出されている悲しさを観たい
- サイコパス、狂気的なストーリーを観たい
- 過去の名作で見応えあるのが観たい
ヒューマンドラマとかハートフルな感動もの、素直に大笑いできるコメディ映画を観たい気分の人にはオススメしません。
それでは映画「キングオブコメディ」のあらすじ・キャスト・ネタバレあり感想をどうぞ!
「キングオブコメディ」あらすじ
The King of Comedy(Amazonプライムビデオへ)
ルパート・パプキンは有名コメディアンのジェリー・ラングフォードのテレビ番組に出演して自分のネタを披露することが夢だった。
ルパート・パプキンは、なんとしてもジェリーに認めてもらおうと電話をしたりオフィスに行ったりしたが相手にしてもらうことはできなかった。
どうしてもジェリーの番組に出たいルパート・パプキンの行動はしだいにエスカレートしていくのだった…。
「キングオブコメディ」キャスト
監督マーティン・スコセッシ
ウルフオブウォールストリートやギャング・オブ・ニューヨーク、近年だと「アイリッシュマン」など多くの名作を監督しています。
ルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ)
人気コメディアン、ジェリー・ルイスのテレビ番組に出演しようとしている男。
ロバート・デ・ニーロは「マイ・インターン」などにも出演しています。
ジェリー・ラングフォード(ジェリー・ルイス)
人気コメディアン。ルパート・パプキンやマーシャにしつこくつきまとわれる。
マーシャ(サンドラ・バーンハード)
ジェリーの大ファンだが、非常識な行動を繰り返すストーカーとなっている。
リタ・キーン(ダイアン・アボット)
ルパート・パプキンが昔から気になっていた女性。
「キングオブコメディ」ネタバレあり感想
ラストシーンのネタバレもありです。
「ジョーカー」のヒットで注目されたキングオブコメディ
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トッド・フィリップス監督の2019年の映画「ジョーカー」が高評価で話題になりました。
「ジョーカー」でキングオブコメディのオマージュがあったり似た設定があったりするので、キングオブコメディについて言及されることがあり注目されたんですね。
僕もTwitterのTLでキングオブコメディのことが流れていて興味が出てきたので「キングオブコメディ」観てみることにしたわけです。
「ジョーカー」も「キングオブコメディ」も狂気を描いています。
「ジョーカー」観て見応えあったっていう人は「キングオブコメディ」も観てみると楽しめるかなと思います。
僕はまだ「ジョーカー」観てないんですよね。
わざわざ気分悪くなりそうな映画観るのもなんだかな〜と観てませんでした。
しかし、キングオブコメディ観てみて面白かったので「ジョーカー」も観てみたいと思うようになりましたね。
主人公ルパート・パプキンの徹底した行動が狂気的でサイコパス
主人公ルパート・パプキンすごかったですね。
まさに目的のためには手段を本当に選ばないサイコパスなキャラクターでした。
だんだん明らかになっていくルパート・パプキンのサイコパスな行動
ルパート・パプキンはコメディアンとして有名になりたくて、人気者コメディアンのジェリー・ラングフォードに自分を売り込みます。
ここまではガッツがあって、まあそういう人もいるかなという感じでストーリーが進みます。
途中突然、有名人になったらしいルパート・パプキンとジェリー・ラングフォードがレストランで食事をしているシーンに切り替わるんですね。
僕は「キングオブコメディ」どういう映画なのか知らずに見始めたので、「なんだ?突然未来の場面に飛んだのか?」と思ったんですが、このシーン、ルパート・パプキンの妄想なんですね。
さらに画面が切り替わってルパート・パプキンが自宅で母親に文句を言われながら、ジェリーと仲良く話している1人芝居みたいなことをしている様子が映されます。
まあまだこういう有名人との妄想をする人はいるだろうなと納得はできます。
でもルパート・パプキンは、さらにエスカレートしたことをやっていることが明らかになっていきます。
ぼくはルパート・パプキンの度を過ぎた妄想芝居があるあたりから「キングオブコメディは、狂気ものの映画なんだな。」と理解し始めました。
ルパート・パプキンの目的はだた1つ。多くの人から称賛されること。
キングオブコメディ観た人は、ルパート・パプキンそんだけガッツがあるなら地道にコメディアンとして成り上がれるんじゃと思うかもしれません。
でもルパート・パプキンの目的はコメディアンとしての場数を踏んで実力をつけ人気になることではないんですね。
どんな手段を使ってでもテレビ出演して、
「多くの人から称賛と喝采を受けること」
これのみがルパート・パプキンの目的なんです。
しかも、多くの人に注目され称賛と喝采を受けるのは一回きりでもいいと割り切っています。
長く活躍したいとかは考えてません。
その目的を達成するためには、文字通り”手段を選ばない”徹底した行動をルパート・パプキンがするところに狂気があります。
なぜ一回きりでもいいのか?
それはルパート・パプキンのセリフでもあったとおり、
「どん底で終わるより、一夜の王でありたい」
からですね。
【考察】「どん底で終わるより、一夜の王でありたい」の意味とは

パプキンはおそらく自分のサイコパス的なところを自覚していたため、普通にやっていては自分が輝けることはないと考えていたのではないでしょうか。
どこかのバーとかでコメディを演じたとしても、テレビに出演できるような人間ではないと考えていたのかなって思います。
自分の人生が無駄ではなかったと思いたかった。
なぜそこまで有名人になりたかったのか。
その理由はこのまま悲惨な人生のまま終わりたくないと真剣に考えていたからだと思います。
一回でもいいからテレビに出て自分の人生をネタにして多くの人に笑ってもらえれば、自分の人生は無駄ではなかったと思うことができ、満たされると考えたからではないでしょうか。
自分の異常な面を分かっていたパプキンは、このままだとどん底のまま人生を終えてしまうことが強烈に嫌だった。
なにがなんでも有名になり大衆に認められることで、初めてパプキンは満足できたのでしょう。
自分みたいな者は、ずっとどん底の人生だろう。
なら一夜でもいい、多くの人に認められるようなデカいことをやって人生を終えたいということなんだと思います。
「どん底で終わるより、一夜の王でありたい」は、悲惨な人生を送ってきた者だからこその言葉ではないでしょうか。
ルパート・パプキンとは違い、ちゃんとした方法?で見事に長年多くの人々から愛され称賛される人物となったのがNetflix映画「ルディ・レイ・ムーア」の主人公で実在の人物ルディ・レイ・ムーアですね。
とことん名前を間違えられるルパート・パプキンの悲しさ

ルパート・パプキンは有名コメディアンのジェリーに事務所に電話してくれと言われて素直に電話します。
しかし事務所側はまともに取り合いません。
それでルパート・パプキンは直接事務所に行ってジェリーに会おうとします。
パプキンがジェリーに会おうとする→追い返される
というのがしばらく続くんですが、このとき事務所の受付の人とかが、これでもかっていうぐらい「ルパート・パプキン」の名前を間違えるんですね。
わざとじゃないと思うんですが、半分ぐらいは「あなたの名前は覚えるほどの価値もない。」と無意識にでも思っていたのではないでしょうか。
そもそもルパート・パプキンの名前を覚える気がないのがありありと伝わってきます。
いくらルパート・パプキンが狂気じみていても、せめて名前は間違えないでなんて観ていて思ってしまうほどのシーンでした。
ルパート・パプキン、子どものころから散々こういう目にあってきているという設定なんでしょう。
サイコパス気質で周りとなじめない状態で、さらに周りの理解もなかったから、だんだんとサイコパス的行動がエスカレートしていき手段を選ばなくなってしまったのかと思うと悲しさもありますね。
とことんずれた「あきらめずに挑戦する」ルパート・パプキンが怖い

よく自己啓発とかで、あきらめずに挑戦することは大事だと言われます。
ルパート・パプキンは、とことんあきらめませんでした。
まさにルパート・パプキンは「最後まであきらめずに挑戦し続けた」ので、TV出演を果たしたわけです。
しかしルパート・パプキンの行動はとことんずれていました。
そのずれ方が怖さを生み出しているんですね。
目的はただ一つテレビ出演のみという狂気的な信念が恐ろしいです。
ロバート・デ・ニーロ演技すごいなと思った。

主人公のルパート・パプキンを演じたのはロバート・デ・ニーロ。
僕は演技の良し悪しはそんなに分からないんですが、キングオブコメディでのロバート・デ・ニーロの演技はすごいなと思いましたね。
とくにすごいな思ったのはルパート・パプキンが1人でジェリーと話している妄想芝居をしてるときです。
このシーン、最初はルパート・パプキンが話している相手がいるだろう部分を隠して映しているんですね。
なので、最初はルパート・パプキンの前に本当に話し相手がいるのかと思いました。
ところがカメラが横に動くとルパート・パプキンが1人で話しているんですね。
すっかり誰かと話しているかと思わせるロバート・デ・ニーロの演技がすごいなと思ったわけです。
マイ・インターンでロバート・デ・ニーロ観たことありますが、マイインターンでは温厚な年配の紳士を演じてますね。
ロバート・デ・ニーロ、たぶん演技の幅が広いんだろうなと思います。
【考察】ラストはパンプキンの妄想か事実か。

キングオブコメディで注目されるのは、やはりラストだと思います。
「キングオブコメディ」のラストは、ジェリーを誘拐してまでテレビ出演したルパート・パプキンが自分のネタを披露して逮捕され一夜にして有名人のとなり、本が売れたりショーに出演していたりします。
この最後のあたりのシーンが事実として描かれているのか、ルパート・パプキンの妄想として描からているのか、考察しがいがあります。
マーティン・スコセッシ監督は事実か妄想かハッキリとさせていないみたいですね。
個人的には事実であってほしいです。
そのほうが面白いです。
ラストシーンでルパート・パプキンがテレビ出演して名前を何回も呼ばれるものの、パプキンはただただ満足気にうなずくだけで話しません。
ラストシーンが、ちょっと変な感じなので妄想っぽくもありますね。
結果的に超過激な炎上商法となってるとこが、現代のネットに通じるものがある。
「キングオブコメディ」は1982年の映画。
1982年には炎上商法っていう言葉はなかったでしょう。
今はネットのSNSなどで一気に拡散して、それネガティブな話題だと「炎上」って言われたりします。
わざと炎上させて話題になることを炎上商法って言いますよね。
「キングオブコメディ」は、わざとではないですが結果的にルパート・パプキンが有名になり本が売れたりしてました。
誘拐という犯罪までしたルパート・パプキンが、ここまで人気者になるのかと疑問に思ってしまうんですが、”ありえる”と思えてしまうところがあります。
ルパート・パプキンが人気者となる最後のあたりのシーンは大衆の怖さも表現しているのではないでしょうか。
ラストが事実なら、パプキンは大衆に同情されたパターンだと思う。
考えられるのは、ルパート・パプキンが悲惨な人生を送ってきたことが知られるようになって、だんだんと同情する人が増えてきて人気者になっていくというパターンですね。
あの伝説の一夜のパフォーマンスで披露した話が実はルパート・パプキンの悲惨な人生そのものだったことが話題になったりとか。
もしラストが妄想ではなく事実だとしたら、このパターンなんだろうなって思います。
テレビ出演で観客が笑ったのは事実なのだろう。
ルパート・パプキンがテレビ出演してネタを披露して観客に笑ってもらえたという部分は事実ではないでしょうか。
観客の笑い声がパプキンの妄想という可能性ありますが、マーティン・スコセッシ監督はルパート・パプキンはネタを披露して観客が笑ったとこは事実として描いているのではと思います。
なぜならルパート・パプキンのような者にも多くの観客に笑ってもらえたという救いをもたらしていると思うから。
ルパート・パプキンにもたらされた救いとはなんなのかというと、「自分の人生に意味があったんだ」という救いです。
自分の悲惨な人生をネタにして笑ってもらえたからパプキンは救われた。
ルパート・パプキンはテレビ出演のとき自分の人生をネタにしたんです。(映画のなかでパプキンは自分の人生をネタにしたと明言してないですが、ほぼ自分の人生ををネタにしたと考えてもいいと思います。)
自分の人生をベースにした自虐ネタを披露したんですね。
テレビ番組収録現場の観客は自虐ネタだと思わず、ルパート・パプキンの創作が多いんだろうなというぐらいの感じで見ていたのではないでしょうか。
本当にあった出来事をそのまま使ったとしたら、かなりきつい出来事ですからね。
でもそのきつい出来事はルパート・パプキンの身に起こった真実だったのでしょう。
観客はルパート・パプキンの話すことが本当にあった出来事ではなくフィクションだと思ったからこそ笑える話として聞くことができた。
しかし、じつはルパート・パプキンが人生で体験してきた本当の出来事だったという悲しみがあるんです。
でもルパート・パプキンは自分の本当の出来事を観客に笑ってもらうことができたので救われたのでしょう。
笑い(コメディ)と恐怖(ホラー)は紙一重

同じ出来事をコメディとして描くのかホラーとして描くのか。
同じ出来事が描き方の違いによってコメディにもホラーにもなる。
こういうことはよく言われていることです。
「キングオブコメディ」は映画タイトルのコメディとありますが100%コメディではないですよね。
どちらかというとホラーよりというかサスペンスよりというか、半分以上はシリアスな雰囲気もあります。
映画「キングオブコメディ」を100%コメディとして描くこともできそう。
しかし「キングオブコメディ」という題材をコメディ映画として描くこと可能ですよね。
- なんかズレた挑戦をし続ける。
- なぜか別荘に行ってしまう。
- 誘拐までしてしまう。
こういったことは他のドタバタコメディ映画でもありそうなシチュエーションです。
「キングオブコメディ」はこういったシチュエーションをシリアスタッチで描くので、映画を観ている観客は笑っていいのか迷いつつも、たまに「クスッ」と笑ってしまうこともあるでしょう。
ルパート・パプキンがテレビ出演したときのトーク、収録会場の観客は素直に大笑いしていましたが、映画の鑑賞者は笑うに笑えないなんとも言えない微妙な気持ちになります。
このテレビ出演のシーンはすごいですね。
「キングオブコメディ」は狂気を描くホラーがメインでありながら、思わず笑ってしまう場面もある、すごく微妙な空気感を描くことに成功している映画なのではないでしょうか。
「キングオブコメディ」は、これからも映画史に残る名作としてタイトルが挙げられ続けるのではないでしょう。
思い出すのがコント番組でダウンタウンの浜ちゃんがキレるドッキリをしたとき怖さしか感じなかったこと。
笑いと恐怖は紙一重で思い出すのが昔のたしかコント番組で、ダウンタウンの浜ちゃんとYOUとあと二人女性がいて、
3人の女性が浜ちゃんにドッキリをしかける
↓
浜ちゃんにドッキリでしたとタネ明かしする
↓
浜ちゃん笑うどころか、むっちゃキレる
↓
「浜ちゃんがキレる」というドッキリでした
という流れのコント(?)があったんですね。
これ浜ちゃんのキレぐあいが演技とは思えないレベルになってて、後から「実は浜ちゃんがキレたのはドッキリだったんですよ。」と言われてもYOUたちは泣いてしまって「人間不信になる・・・」とか言ってて終わりだったかと思います。
ドッキリを仕掛けたと思ってた側が、実はドッキリを仕掛けられてたという構造になってたんですね。
これを観た時まったく面白さを感じなかったです。ただただ浜ちゃんが怖すぎってなってしまって気分が悪くなったのを覚えています。
これ観て以来浜ちゃんがなんとなく苦手です(笑)
たぶん放送する側は面白いと思ってテレビで放映したんだろうなって思うんですが、僕は怖さしか感じなかったです。
なんでこんなの放送するのかと不思議でした。
たぶん個人差あって、この逆ドッキリコントが面白いと感じた人もいるんだろうなって思います。
とまあ、笑いと恐怖は紙一重で思い出したことでした。
映画「キングオブコメディ」ネタバレあり感想まとめ
ということで「キングオブコメディ」のネタバレあり感想でした。
まとめると、
- 「キングオブコメディ」トッド・フィリップス監督の2019年の映画「ジョーカー」で最注目された
- 主人公ルパート・パプキンの徹底した行動が狂気的でサイコパス
- とことん名前を間違えられるルパート・パプキンの悲しさ。
- とことんずれた「あきらめずに挑戦する」ルパート・パプキンが怖い。
- ロバート・デ・ニーロの演技がすごい
- 「どん底で終わるより、一夜の王でありたい」の意味は、多くの人に認めてもらって自分の人生に満足したいということ。
- ラストはパンプキンの妄想か事実かはマーティン・スコセッシ監督は答えていないらしい。
- ラストは現代の炎上商法と似た部分がある。
- パプキンは観客に笑ってもらえて救われた。
といったところです。
繰り返し観たいとは思わないですが、すごく完成度が高い名作狂気映画だと思います。
ラストの展開は驚きましたね。
パプキンのテレビ出演のネタ披露シーンは、なんともいえない絶妙な悲しさがすごかったです。
「キング・オブ・コメディ」を見る方法
「キング・オブ・コメディ」を見る方法があります。
もちろん違法な視聴方法ではなく、ちゃんと正しく安全安心に視聴することが可能。
以下のサブスク動画配信サービスで観れますよ(2020年4月23日時点)
(配信状況が変わっていることがあります。最新の情報は各サービスにてご確認ください。)
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