NHKのドラマ10で「昭和元禄落語心中」が実写ドラマ化されています。
岡田将生主演ですね。
「昭和元禄落語心中」は雲田はるこのマンガが原作です。
そのマンガがアニメ化されています。
アニメ「昭和元禄落語心中」の1期全話見たので感想を書いていきます。
「昭和元禄落語心中って面白いのかな?」
「落語のこと知らないんだけど楽しめるのかな?」
と気になっている人は参考にしてください。
すごくかっこよくて切なくて愛のあるアニメになってますよ。
落語のことを知らなくても面白いです。
感想・評価
なるべくネタバレなし
評価 ★★★★★★★☆☆☆ 7/10
菊比古・助六・みよ吉の愛と憎しみの物語
「昭和元禄落語心中」は菊比古・助六・みよ吉の3人の愛と憎しみの人間模様が深く描かれていました。
とくにみよ吉の菊比古への愛が切なすぎます。
昭和しかも戦後あたりの時代ですから、今の世の中のような自由はなく希望も少ない社会だったのでしょう。
みよ吉は芸者としてしか生きていく道がみつからなかったのだと思います。
そんな希望のないみよ吉の人生のなかで菊比古への愛情が、唯一のみよ吉のやすらぎだったのでしょう。
だからそのやすらぎが奪われると分かれば愛が憎しみに変わってしまう。
みよ吉の愛が憎しみに変わるところがゾクリとするほどきれいなシーンになってました。
そういう菊比古とみよ吉の危うい関係が、ものすごく胸にせまるものありましたね。
菊比古と助六の2人も単純な友達という関係ではなく愛憎うずまくものでしたね。
なぜかというとやはり落語があるからです。
助六はいわば落語の天才。
かたや菊比古は助六のようになりたいと思いはするけれど、とても無理だと分かっているという辛さがあります。
菊比古は助六に嫉妬していた部分もあるのでしょう。
そんな菊比古が自分のスタイルをつかんでいく様子も良かったですね。
昭和元禄落語心中は人間のもつ複雑な心の中がよく表現されていて、見応えがありました。
シーズン1(一期)後半は泣ける
1期後半は菊比古と助六の二人の関係が泣けてきました。
あることがあり助六はみよ吉とともに東京から離れてしまいます。
そして助六は落語をしなくなってしまう。
助六は昔から落語以外のことには無頓着でいいかげんに生きてきました。
菊比古は、落語がなければすぐに破滅的な暮らしに落ちてしまう助六を助け続けました。
菊比古は助六を見捨てることもできたでしょう。
でも菊比古は助六の落語が好きで仕方がないんですよね。
閉じこもりがちな菊比古の心は、いつも助六の陽気さで助けられていました。
1期の最後のほうであんな状況になっていても、菊比古と助六がいつもの二人に戻っていくところが泣けてきましたね。
落語もある程度聞ける
昭和元禄落語心中はキャラクターが落語家なので、落語のシーンが多いです。
なかには落語一席(というのかな?)まるごと全部じゃないかというシーンもありました。
アニメの落語でも普通に笑えます。
だいたいは落語をしているシーンと菊比古の心の中の声があったりするので、そのままの落語を楽しめるというわけではありません。
昭和元禄落語心中は落語をそのままアニメで再現することがメインではなく、菊比古や助六、みよ吉などの人間模様の物語です。
それでも昭和元禄落語心中のアニメの落語は魅力的でした。
それにしてもあれだけの落語を演じる声優がすごいです。
菊比古の声優は石田彰
助六(初太郎)の声優は山寺宏一
落語家からアドバイスをもらったのだと思いますが、まったく違和感なかったです。
菊比古役の石田彰は落語の声もすごいですが、年齢によって声を使い分けているとこもさすがだな〜と思いました。
石田彰、山寺宏一2人の声優の落語は、かなり聴き応えありますよ。
戦後あたりの昭和という時代の空気が色濃い
戦後あたりからもう落語が消えてしまわないかという危機感があったことが、昭和元禄落語心中を見てるとわかります。
今はテレビに出ている落語家がいたり、昭和元禄落語心中のように若い人にも落語が注目されることがありますよね。
しかし戦後あたりは本当に落語という娯楽が消えてしまいそうになっていたのでしょう。
助六こと初太郎は古い落語界のままでは落語そのものが廃れてしまうという危機感を人一倍もっていたのだと思います。
だからこそ師匠に反発することもあったんでしょうね。
あと親に捨てられる子がいたりなど戦後あたりの時代背景も描かれていますね。
親に捨てられて1人になってしまった子どもが、あの時代にはたくさんいたのではないでしょうか。
菊比古の江戸弁の言葉使い(口調)が新鮮
昭和元禄落語心中の1期を見終わって強く印象に残っているのが、菊比古の言葉づかいです。
自分のことを「あたし」と言ったり、語尾が「〜じゃないの」みたいになったりと現代の言葉づかいとだいぶ違います。
菊比古が話していたのは江戸弁というそうです。
菊比古の話し方は女性の話し方のようなんですが、戦後あたりの時代は男でも菊比古のような話し方をする人が多かったのでしょうか。
たぶん当時は江戸弁で話す人がまだ多かったけれど、とくに菊比古は女性よりの話し方をする癖があったのかも。
菊比古、幼いころは芸者たちと育ってますからね。
江戸弁のシャープというか洒脱というか粋な話し方、なかなかカッコいいかな〜なんて思いました。
助六(初太郎)は現代でも違和感ない話し方でした。
菊比古役の石田彰の声の演じ分けがすごい
昭和元禄落語心中の1期の最初は老年になろうとしている菊比古からはじまります。
そして昔のことを思い出して話す菊比古のナレーションみたいなのが時々入るんです。
NHKの朝ドラみたいな感じですね。
こうして菊比古が中心にストーリーが進むので、昭和元禄落語心中1期の主人公は菊比古といっていいでしょう。
そんな菊比古の若いころから老年までを声優石田彰が演じ分けています。
見事な声の演じ分けでした。
さすがに子供のころの声は別の人ですが、他の年代はすべて石田彰が演じ分けているみたいですね。
身一つで多くの人を楽しませる落語の良さが分かる
昭和元禄落語心中のなかで言われてましたが、自分の体一つと扇子や手ぬぐいという少ない道具だけで多くの人を楽しませる落語って考えてみたら素晴らしいですよね。
1期の後半では菊比古が東京を離れて何もないような田舎に行くわけですが、そんな何もないような場所でも落語だったら人々を楽しませて稼ぐことができるわけです。
昭和元禄落語心中を見ていると、シンプルだけれど奥深い落語の魅力がよくわかります。
昭和元禄落語心中を見て落語に興味をもって実際に寄席(よせ)に行ってみたりCDなどで落語を聞いたり、自分ではじめたりなんてことがありそうです。
それほど菊比古と助六の落語は魅力的でした。
寄席(よせ)っていうのは落語とか漫才なんかをしている演芸会場みたいなところです。
寄席(よせ)とは、日本の都市において講談・落語・浪曲・萬歳(から漫才)・過去に於いての義太夫(特に女義太夫)、などの技芸(演芸)を観客に見せる興行小屋である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%84%E5%B8%AD
より引用
アニメ昭和元禄落語心中シーズン1の感想まとめ
ということでアニメ昭和元禄落語心中シーズン1の感想でした。
落語の物語がこんなにも切なくて面白いなんて思ってもみませんでしたね。
アニメでここまで落語を再現できてるってすごいことです。
2期も見てみるつもりです。
2期は初太郎の次に助六を受け継ぐ男が主人公ですね。
初太郎が活躍するところがもっと見たかったかなって思います。
昭和元禄落語心中は落語家の反応は好評だったみたいです。
昭和元禄落語心中が人気になって落語ブームみたいに言われているようです。
落語が昭和元禄落語心中のヒットによって、たくさんの人に関心を持たれるようになるのはいいことですよね。
昭和元禄落語心中のアニメ見てたら、落語家たちの姿とか生き様がかっこいいって思います。
昭和元禄落語心中の影響で落語が女性に人気になっているみたいですね。落語女子なんていうそうですよ。
それでは昭和元禄落語心中楽しんで観てくださいね。
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