
マネーボールって面白いのかな。
という人のために映画「マネーボール」を繰り返し観た「ツヅケル・ブログ」管理人シエン(@tetete437)が感想を書いています。
この「マネーボール」の感想記事を見ていただくと、自分の趣味に合うのか面白いのかが分かりますよ。
ですので、「マネーボール」を観るかこの記事を参考にしていただくと、つまらない映画を観て時間を損したってことにはなりません。
ひとこと感想&評価(5点満点)
スポーツや仕事系の物語に興味があんまりない人や、ヒューマンドラマ系の映画が観たい気分の人にはオススメしません。
それでは映画「マネーボール」のあらすじ、監督・キャスト、ネタバレなしの感想をどうぞ!
あらすじ
映画「マネーボール」のだいたいの内容です。
アスレチックスから、主要な選手が放出されていった。
GMのビリーはなんとかして主要選手の抜けた穴を補強しようとするが、予算が足りない。
そんななかスカウトたちは以前と変わらない方法で、有望かもという選手のことを話しているだけだった。
ビリーはインディアンスとの交渉中に、ある人物に目を止める。
その人物ピーター・ブランドが使っていた理論「セイバーメトリクスメトリクス」が、その後の野球界、スポーツ界を大きく変える始まりとなった。
監督・キャスト
監督と登場人物の紹介。
監督ベネット・ミラー
ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)
アスレチックスのGM(ゼネラルマネジャー)。
低迷する貧乏球団アスレチックスをセイバーメトリクス理論によって変革する。
GM(ゼネラルマネジャー)とは、球団を代表するような存在。
経営全般を担う重要な役職です。
ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)
統計理論セイバーメトリクスを使いこなすことができる人物。
ビリー・ビーンにスカウトされ補佐することになる。
繰り返し観ている映画です。
静かだけれど熱い闘志が潜んでいる雰囲気が最高です。
私は、野球やメジャーリーグがとくに好きというわけではないんですが、ビリー・ビーンとピーター・ブランドの二人が野球業界の常識とか慣習を乗り越えて挑戦して結果を出していくところが好きです。
野球に関心がない人でも楽しめる映画です。
実話を元にしている映画っていうところも良いです。
監督はベネット・ミラーという人なんですが、この監督は伝記映画を得意としているようです。
映画マネーボール全編に漂う静かだけれど熱い心がこめられている雰囲気は伝記映画の手法から来ているっぽいですね。
こういう静かだけれど内面に熱いものが込められている雰囲気って、すごい好きです。
感想・評価
なるべくネタバレなし
実話を元にした挑戦の物語が熱い
マネーボール。この映画のタイトルを最初に見たときは、野球というスポーツを金のことばかりで考えることを揶揄するストーリーかと思いましたが、そうではありませんでした。
根幹は勝つための考え方を大きく変化させた、その視点について。
セイバーメトリクスという野球に統計を応用した理論による考え方です。
セイバーメトリクスを用いた考え方が、野球というスポーツで勝つために実際に通用するのかという挑戦の物語です。
物語と書きましたが、実話を元にしている映画ですね。だからこそ、さらにいい映画です。
何回か繰り返し観ている映画ですが、今後もたまに観返すでしょう。
実話を元にしている映画って感動の質が違いますよね。
「ソウルサーファー」っていう映画も実話を元にしています。
なんといってもこの映画で描かれた出来事が実際にあったってことが一番の驚きです。
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アイディアは以前から存在していたが誰も実践していなかった
映画で登場したピーター・ブランドが用いた理論の名前は「セイバーメトリクス」
じつは「セイバーメトリクス」という理論はビリー・ビーンが実践する以前にビル・ジェームズという人物が考案していたんです。
「セイバーメトリクス」は多くの数値・指標から客観的に分析を行い勝つためのチーム作りや采配に役立てていくという理論です。
「セイバーメトリクス」は長年の野球界の伝統のような事を否定していることもあり、理論が提唱された初めのころは否定的な見方が大半を占めました。
ところがビリー・ビーンが見つけたピーター・ブランド(実在の人物名は事情があり違う名前)は、「セイバーメトリクス」が有効であると考えていました。
野球界の多くの人が「セイバーメトリクス」を知ってはいても否定的だった状況のなかでビリー・ビーンが「セイバーメトリクス」を実際に球団運営に使ったことが革新的だったわけです。
ビリー・ビーンのアスレチックス球団の「セイバーメトリクス」によるチーム改革は、最初からうまくいったわけではなくて、衝突や困難があり少しずつ勝利数が増えていき大記録を打ち立てるまでになりました。
どんな困難があったのかは映画で描かれています。
本気で自分たちの理論が信じられるのかという葛藤と決意のシーンがすごかった
野球に統計分析「セイバーメトリクス」を用いてみることにしたわけですが、途中までは自分たちの理論を信じ切れていませんでした。
けれど、あることがあり、本当に自分たちの理論を信じて本気で実行することを決断していく過程が描かれているシーンが「マネーボール」という映画で一番私が好きなシーンです。
どんなに、すぐれた理論であっても、それを実行する人間が信じ切れていなければ、途中で止めたりしてしまいますよね。
そこを、アスレチックスのGMビリー・ビーンは、乗り越えたわけです。
賭けっぽいですが、ちょっと違うのだと思います。
GMビリー・ビーンの本人の経験と、サポートしているピーター・ブランドの「セイバーメトリクス」理論への確信があって、初めて踏み切れたのでしょう。
私が映画「マネーボール」が好きな理由はデータを活用するという視点があるから
私が映画「マネーボール」を好きな理由の一つが、「データを活用して見えていなかったものを見出す」ということが好きだからというのです。
人間の経験と勘。これは、最初の方針を決めるためには大事なことだし、最終的な決断は、この経験と勘に影響されざるをえません。
しかし、人間の決断を、大きく補佐しうる存在となりえるのが統計による分析などの客観的指標ですよね。
経験と勘だけでは、見えないものを見るための道具なわけです。
「経験」と「勘」だけでも試行回数を増やせば、なにかが大当たりするっていうことはあるでしょう。
しかしデータとか分析とかの手法があれば、その大当たりの確率をぐっと上げることができるのだと思います。
昔からの野球のスカウトマンは自身の経験や勘を自分の判断の根拠としすぎていたのかもしれません。
スカウトマンが選手個人の能力を見極める力は高いでしょう。
しかし、そうしてスカウトした選手がどのように活躍するかは未知数です。
なかにはビリー・ビーンの選手時代のように能力は優れていても実際の試合では活躍できずじまいだったということもあるわけです。
「セイバーメトリクス」は、試合でチームが勝利するために必要な選手を客観的に見極める手助けになるということでしょう。
しかし忘れてはならないのは、どんなにすぐれた理論であっても「絶対」ではないということですよね。
マネーボールのサウンドトラック音楽はいい。ひきこまれる旋律がすばらしい
全体的に静かな雰囲気のある映画です。
映画の雰囲気にものすごくぴったりな音楽の使い方がされています。
「マネーボール」の音楽を作ったのは映画音楽家マイケル・ダナ。
「マネーボール」のサントラを聴いていると、すごく集中できます。
勉強とか仕事の作業用のBGMとしてもオススメです。
マイケル・ダナの作った曲全体もいいんですが、とくに私が好きな曲はThis Will Destroy Youというバンドの「The Mighty Rio Grande」という曲。
The Mighty Rio Grande
This Will Destroy You
カテゴリ: サウンドトラック
apple musicで見る iTunesで見る
曲が、だんだんと高らかに歌い上げていく(インストゥルメンタルだけど)ところがいいですよね。
apple musicなどの定額音楽配信サービスのいいところは、気になる曲があったら検索してすぐにアルバム丸ごとや一曲丸ごと自分のミュージックライブラリに加えることができるところです。
Moneyball (Original Motion Picture Soundtrack)がapple musicにあったので、さっそく自分のミュージックライブラリに入れて、この記事を書きながら聴いています。
サントラを聴いていると「マネーボール」の映画の静かだけれど力強い雰囲気が感じされて、とてもいいなって思います。
定額音楽配信サービスapple musicについては、こちらの記事で詳しく書いています。
https://tudukeru.net/flat-rate_music_distribution_service_review/
私のツイッター(@tetete437)で、たくさんオススメ曲をツイートしていますので、よろしければフォローしてください。
ツイートした曲はブログのこちらのカテゴリでまとめています。
おすすめ曲まとめ(洋楽・癒し系・女性ボーカル多め)いい音楽集めてます。
原作本を読みました。面白いです。
映画が面白かったので原作本の文庫本も読みました。
原作本、つまらないということはなく面白いですね。
映画が気に入った人は、ぜひ原作本も読んでみましょう。
「完全版」とあります。
amazonでマネーボールで検索すると分かりますが、何種類がマネーボールの本が出てきます。
それらの本と完全版との違いは以前は省かれた箇所を収録したり訳し直しや修正などがされているところだそうです。
今からマネーボールの原作本を読むなら「完全版」を読むのがいいってことになりますね。
電子書籍のkindle版もあります。
作者のマイケル・ルイスは映画マネーショートの原作本「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」も書いています。売れっ子作家ですよね。
その後のアスレチックスとビリー・ビーン
今でもアスレチックスは強いチームでいるそうです。この映画で用いられた理論は、もう使っていなくて、相手のチームの投手によって、アスレチックスの先発を柔軟に変えていくっていうような手法を使ってるみたいです。
どうやら普通は、レギュラーメンバーっていうのは固定されているようなんですが、アスレチックスは、それを止めたっていうことのようですね。
いかにして勝つための理論を実践していき結果を出すか。これをアスレチックスのGMは、見事にやってのけ、見事に結果を、今も出し続けているっていうことですね。すごいな~。
アスレチックスのGMビリービーンは、いかにして勝つかっていう方法を実践し結果を出すためのコツを、つかんでいるのではないでしょうか。
だから、今うまくいっている方法が通用しなくなってきても、また次の新たな理論とかで勝っていくことができるのでしょうね。それが、本当の強さの秘密なのかもしれません。
映画「マトリックス」とからめた話し
信じ始めた。
他の映画の話になりますが、マトリックス1で、地下鉄の駅で、スミスと向き合ったネオが、逃げずに向き合うシーンがあります。そのとき、モーフィアスは「ネオは、信じ始めたんだ。」というようなセリフを言います。これと、同じ構造の心理状態なんでしょう。
すごくすぐれた理論であっても、それを、現実世界で運用しようとすると、抵抗があったり、運用しようとする本人が、どこまで、その理論を信じ切れているかっていう問題もあります。
そして、この映画では、こうした理論の課題も提示しています。それは、「運」という要素を、どう考えるかっていうことです。
マトリックスが好きなもので、つい無理やりマネーボールと結びつけちゃいました。
長期戦なら、統計分析(スポーツ界では、セイバーメトリクスっていう手法だそうです。)は、すごく役立つことは証明されたけれど、短期戦では、長期間のうちに修正されていく「運」という要素が占める範囲が大きくなり、その「運」に結果が左右されてしまいます。
マトリックスでは、アノマリーって言ってましたね。アノマリー=不安定要素、みたいな感じの意味でしょうか。
マトリックスの設計者は、このアノマリーさえもコントロールしようとして、わざとザイオンや救世主が出現する要素を放置し観察し分析、そして、このアノマリーたちを、次のマトリックスで、なるべく出現させないようにするためのプログラム修正を施し、今のマトリックスをリセット。こんな感じなんでしょう。
短期決戦に強い選手の傾向を見出すとか。
マネーボールは、「運」という要素を、どう考えるのか。このことを提案した映画でもあるのかも。
「運」「偶発的なこと」これらに、対処するためには、人間の考え方が大事になってきそうです。
「運」による結果に左右されずに、いかに心を切り替えられるか。「運」を味方につけるために有効なこととは。こうなってくると、人間の物事に向かうときのイメージの持ち方とか、そうしたメンタルトレーニングが大事になりそうですね。
この短期決戦への課題ですが、何回も繰り返すうちに、短期決戦期間中のデータも集積されていくでしょうから、それを用いての分析っていうのもできそうです。短期決戦の強い選手の傾向を見出したりとか。
マトリックスの設計者が、何回もマトリックスをリセットして、アノマリーをコントロールしようとしたイメージでしょうか。
映画マトリックスについての感想・評価記事書いています。
↓

ここからはネタバレあり!
【ここからネタバレあり】ラストの子供のケイシーの歌はThe Show(Lenka)のカヴァー曲
マネーボールの主人公ビリーの娘ケイシーという少女が楽器店で弾き語りしていたり、ラストでビリーが車でCDで聴いていた曲は、Lenkaというミュージシャンの「The Show」という曲のカヴァーです。
The Show
Lenka
カテゴリ: ポップ
apple musicで見る iTunesで見る
ケイシー役はケリス・ドーシーという子役ですね。歌もうまい!ギターも自分で弾いてそうです。
ケイシー役のケリス・ドーシーの弾き語りバージョンのThe Showはマネーボールのサウンドトラック(Moneyball (Original Motion Picture Soundtrack))に収録されています。
The Show
Kerris Dorsey
カテゴリ: サウンドトラック
apple musicで見る iTunesで見る
※紹介している曲の配信状況は2018年5月3日時点の情報です。apple musicやAmazon Music Unlimitedで配信終了している場合がございます。最新の配信状況は各サービスのサイト・アプリにてご確認ください。
歌詞の和訳を読んでみました。
The Showっていうのは人生っていうような意味合いのようです。
みんなが人生という舞台に立っているみたいな感じです。
そして、そんな人生という舞台を楽しもうよって呼びかけているんですね。
マネーボールで描かれるアスレチックスのGMビリーは、いろいろと苦しんでいるわけです。
そんな父親の様子を見ていた娘が楽器店やCDでLenkaの「The Show」を歌って、父親を励まそうとしているのかな~って思いました。
ラストで父親が娘が歌っている「The Show」を聴いて、なんとなくしみじみとした様子だったのが印象的ですよね。
ビリーはレッドソックスからの高額オファーを断ってまでアスレチックスでGMとして働くことを選んだのは、やはりアスレチックスという球団でどこまでできるのかっていうことに人生の楽しみを見出していたからなのかも。
アスレチックスに思い入れもあったんでしょう。
ピーターがビリーに見せた最後のビデオの意味
これまたラストあたりでピーターがビリーにある野球の試合のビデオを見せます。
20連勝という快挙を成し遂げるものの、結局リーグ優勝できなかったアスレチックス。
どれだけ勝率を上げようとも最後に勝たないと意味がないと落ち込むビリーにピーターがビデオを見せます。
そのビデオの内容はホームランを打ったのに、それに気づかずに走塁中に転んで慌てて一塁ベースに戻る打者に「あんた、ホームラン打ったんだよ。」って敵チームの選手が教えるっていうビデオですね。
このシーンを最初観たときは、どういう意味なのかな?って分からないですよね。(いやすぐに分かるかな?)
僕なりにこのシーンを考察すると、ホームランを打ったことに気付いていない打者=ビリーってことなんだと思います。
つまり、ビリーはものすごいことをやってのけたんだから、そんなに落ち込むことはないんだってピーターが励ましているってことですよね。
その後、ビリーが高額オファーを断ったレッドソックスはビリーがメジャーリーグ史上たぶん初めて使ったセイバーメトリクス理論を使ってワールドシリーズで優勝することになります。
野球にセイバーメトリクス理論は大いに有効だということがレッドソックスによって証明されたわけです。
ビリーがアスレチックスでやってのけたことはメジャーリーグ界に大きく変化をもたらすことになったんですね。
理論的な補佐をピーターがしていたわけですが、ビリーが実際にセイバーメトリクス理論を実践したことが、ものすごくすごいことなわけです。
映画でも野球界の人物たちとの衝突が描かれています。
映画「マネーボール」はセイバーメトリクス理論を実践していく葛藤や、自分を信じることができるのかというところが見どころでしょう。
映画全体は静かな雰囲気が多いですが、こんなにも熱い闘志を感じる映画はめったにないでしょう。
実話だっていうところが、さらにいいわけです。
「マネーボール」感想まとめ
映画の雰囲気が好きだし、なによりデータを用いて挑戦していくという過程がいいです。
野球が好きでない、まったく興味がないという人でも楽しめる映画です。
アスレチックスのGMビリービーンは、セイバーメトリクスを実践することで、その後のアメリカ野球界を大きく変えました。
メジャーリーグの歴史のなかで名を残す人物となるのではないでしょうか。
困難にもめげずに挑戦して結果を出すストーリーを存分に味わってみてくださいね。
映画「マネーボール」を見る方法
映画「マネーボール」を実質見る方法があります。
もちろん違法視聴ではありません。
ちゃんと正しく安全安心に観れる方法です。
くわしくは映画「マネーボール」を見る方法の紹介記事にてどうぞ。

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「マネーボール」みたいな似てる映画を探すなら「まとめ記事」からどうぞ
「マネーボール」と似た映画や関連作品お探しの人に、まとめorランキング記事紹介します。
「感動」とか「泣ける」「落ち込んだ時」「監督別」など映画のタイプ別にまとめている記事から、似ている映画や関連作品を見つけやすくなりますよ。
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