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映画「この世に私の居場所なんてない」感想・評価 シニカルコメディで面白い イライジャ・ウッドが好演。

アメリカのダウンタウン ヒューマンドラマ系ムービー

(※本ページはプロモーションが含まれています)

netflixの画像から勝手にロードムービーでヒューマンドラマ系の映画かと思っていたんですが、観てみるとまったく違う内容の映画でした。

「この世に私の居場所なんてない」のwkipediaの説明によると、「コメディ・クライム・スリラー映画である」だそうで、まさにその通りの映画でした。

最初は、ちょっとヒューマンドラマ系かという雰囲気なんですが、しだいにあれ?なんかコメディっぽい?と思い始めて最後のあたりは、ああいうふうになってしまうという、なんともいろんな要素が詰まったストーリーでした。

シリアスでありながら笑ってしまうというシーンがあったりして、これはいい映画だなって思いました。

監督はメイコン・ブレアという人で俳優でもあるみたいです。

監督として映画を作るのは、「この世に私の居場所なんてない」が初めてとのこと。

「この世に私の居場所なんてない」が良かったので、今後も、メイコン・ブレア監督の映画はチェックしたいです。

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「この世に私の居場所なんてない」は、こういう人におすすめ

  • ストーリー展開が読めない映画を観たい人
  • ちょっとブラックなコメディを観たい
  • 大作ではなく小さくまとまった映画が観たい
  • やたらと美男美女ばかり出ない映画が観たい

主要キャスト

ルース・キムケ(メラニー・リンスキー)
主人公の女性。仕事は看護助手。鬱屈した日々を過ごしている。

トニー(イライジャ・ウッド)
ルースの近所に住む男。体を鍛えている。戦う準備をしているようだ。

マーシャル(デヴィッド・ヨウ)
強盗を計画しているボス。

デズ(ジェーン・レヴィ)
マーシャルの仲間の女性。気が強い。

クリスチャン・ルマック(デヴォン・グレイ)
マーシャルの仲間の若い男。騒動の原因となる。

あらすじ

ルースは看護助手の仕事をしているが、なにも楽しいことがない日々を過ごしている。帰宅したら1人飲んで過ごすという毎日。そんな退屈な日々、ある日帰宅すると家が荒らされていた。そこからルースの人生が大きく変わる。

感想

なるべくネタバレなし

映画タイトルの意味は?

落ち込む女性
「この世に私の居場所なんてない」原題は「I Don’t Feel at Home in This World Anymore」。

たぶん英語のタイトルと日本語のタイトルは同じような意味だと思います。

この映画タイトルにした監督の意図はなんだったんでしょう。

この映画のタイトルのような気持ちになったことがある人は、たくさんいるでしょう。

家と職場の往復だけで日々が過ぎていくむなしい日々・・・

そして、いったい自分はなにがしたかったんだろうかとか、本当は、こういう事がしないのにとか、あの人みたいになりたいとか思うようになるわけです。

なんともウツな気分になってきますが、そんな気分を代弁するかのような映画の始まりですね。

そして、だんだんと主人公のルースの「日常」が崩れていきます。

そしてブラックというかシニカルな笑いが続いて、最後にはああいうふうになります。

ラストシーンが、はたして救いのシーンになっているかどうかは観る人によるでしょう。

その理由は以下で書きます。

ラストシーンは現実?幻?

想像の風景
最後のあたりのラストシーン、これ観た人の中には、これってルースの幻覚というか幻想じゃないか?なんて思った人がいるんじゃないでしょうか。

私は、一瞬そう思いました。

なんせルースの冴えない日々が描写される映画ですし、ルースと仲良くなったトニーは途中ああいう状態になっていたわけですから。

これは監督が意図して現実なのか幻なのかをあいまいにしたっぽいかななんて思います。

かなり幻想的な画面効果みたいなエフェクトが施されていますし。

ただの勘違いかもしれませんが、もし監督がルースの幻想・想像として、このラストシーンを作ったのなら、メイコン・ブレア監督ってなかなか一筋縄ではいかない単純な映画は作らない人なんだろうなって思います。

こういう映画を作るメイコン・ブレアは、けっこう苦労人なのかななんて勝手に想像してしまいました。

メイコン・ブレアは俳優として活躍しているわけですが、とんとん拍子に俳優としての仕事がうまくいっていて、あまり不遇の時代がない人が、こういう映画を製作はしないんじゃないでしょうか。

映画って、あくまで幻想であって、どんなに映画の中の主人公がハッピーになろうとも視聴者が映画を観たあとに一瞬で自分の人生が幸せな状態に変わるわけではないですよね。

あくまで映画はきっかけみたいなものでありエンターテイメントでもあるわけです。

どんなにハッピーエンドな映画を観ても、自分の人生を良くするのは自分でしかないっていう視点を持っている監督なのかな。

たくさん「ひっかかる」表現がある

スーパーの風景
映画の冒頭から、ルースのなんだかやるせない「ひっかかり」のあるシーンが続きます。

たとえば、スーパーのレジに行くときに、同時ぐらいのタイミングで来たひとに先を越されて、しかもその人の買い物量が多くて、自分の順番がなかなか回ってこない…みたいなシーンが、けっこう出てきます。

これ、観ているぶんには思わず笑ってしまうシーンですが当人はなんも面白くなくて、だんだんと不満がたまってくることになります。

このことが影響したのかルースは普段の自分ならしないようなことをして、だんだんと事態が悪化してしまいます。

悪化していくときでもシニカルな笑いがあったりして、ただ暗い気持ちになってしまうだけっていうことにはなりません。

このあたりが、この映画の醍醐味でしょう。

映画の登場人物たちは、すごく真剣で真面目に行動しているんですが、どうしてもシニカルな笑いに昇華されてしまうんですよね。

このことには、イライジャ・ウッド演じるトニーのなんとも言えない痛々しいおかしさが感じられる演技が、大きく影響しているでしょう。

現実にも、トニーのような、どこかズレてしまったようなキャラクターの人っていそうです。

自分の頭のなかで考えたことが、たとえ世間からずれたことであっても、そこで止めようとならずに実行してしまう危うさみたいなものがトニーにはありますよね。

いろんなジャンルが凝縮されたストーリー

映画監督
映画の最初はルースの冴えない日常を笑いに昇華したシーンが続き、なんだコメディ風映画なのかって思わせつつ、どこかヒューマンドラマっぽさがちょっとだけあって、後半になるとあくの強いクライムサスペンスみたいな展開になっていきます。

これだけのジャンルを詰め込んだ映画だと、ちぐはぐになってしまいやすいのかもしれないですが、「この世に私の居場所なんてない」はそういうこともなく、見事に終盤のシーンまで進んでいきます。

いろんなジャンルが混ざった映画だけれど、それぞれに見応えがあって良かったです。

シニカルな笑いは、ルースのちょっとしたイライラがよく伝わってくるし、サスペンスのあたりではトニーに壊れそうな危うさが際立ってきます。

こんなにも、いろんなジャンルを詰め込んでいながら、最初から最後までハラハラドキドキしながら飽きることなく観ることができるなんてすごいです。

同じように、いろんなジャンルを詰め込んで映画を作ろうとしても、こうはなかなかうまくいかないのでしょう。

妙なひっかかりのある演出とか、危うさがあってどこか滑稽さも併せ持ちながらちょっと不気味さもあるキャラクターが登場するあたりが、なんとなくツインピークスのデヴィッド・リンチ監督みたいな感じがしました。

もし「この世に私の居場所なんてない」がデヴィッド・リンチ監督だったら、まずタイトルが違うだろうし、トニーはもっと壊れキャラで、かなり滑稽で皮肉めいた笑いをとりにきていたのではないでしょうか。

シニカルっぽいコメディで面白い

シニカルな笑い
「この世に私の居場所なんてない」はコメディ要素もある映画ですが、ハッピーな笑いではなくてシニカルさのある笑いになっています。

本人主観だと、ただのイライラな場面だったとしても、それを観ている観客はくすっと笑えるわけです。

まあそういうこともあるよねみたいなのですね。

ルースの場合は、そういうことがやたらとあるので、さらに笑えるというふうになっています。

この映画から学べることの一つは、現実でちょっとイライラするようなことがあっても、これがもし映画のワンシーンだったら私は笑っているかもなんて思って気を楽にできることでしょうか。

客観的に自分を観るみたいなのですね。

映画とかドラマって、客観的に自分を見る訓練になるっていう面がありそうです。

メイコン・ブレア監督作品は要チェック

指輪
「この世に私の居場所なんてない」が初監督であるというメイコン・ブレアの今後の映画は要注目ですよね。

これからも、ちょっとひねった映画作品を作ってくれるんじゃないかっていう期待があります。

主人公ルースを、とびきりに美人にするのではなくて普通の素朴な女性にしたりとか、トニーという、どこかが壊れたようなキャラクターにしたりとか、そういうところが映画好きの観客の心をくすぐるのではないでしょうか。

主人公のルース役メラニー・リンスキーは、wikipediaによると「アメリカ映画では主人公の友人や家族の役回りが多い。」だそうです。

まさにそういう雰囲気の女優ですよね。主演ではないけれど、助演としての良さがすごく感じられる、そんな俳優のような気がします。

そんな助演で良さが光る女優を主役に配役するというところにメイコン・ブレア監督のこだわりが感じられるような気がします。

こういう映画を作りたいという強い意志みたいなものが強い人なのかも。

「この世に私の居場所なんてない」を観た人の評価は、だいたいは好評みたいですから、もしかしたらまた映画を作ってくれるかもしれないですね。

次回作があるなら、またイライジャ・ウッドが出演したりしそうです。

監督によってはお気に入りの俳優がいて、この監督の映画には必ずといっていいほどよく出演している俳優っていますよね。

メイコン・ブレア監督にとってのお気に入りの俳優がイライジャ・ウッドになりそうな、そんな感じがします。

それにしてもイライジャ・ウッドって、映画ロードオブザリングでフロド・バギンズ演じていたんですよね。

フロドみたいなキャラクターだけでなく「この世に私の居場所なんてない」のトニーみたいなキャラクターも演じるイライジャ・ウッドって、かなり切れ味するどい演技をする人なんだろうな~って思います。

トニーを観てフロド・バギンズを想像する人は、たぶんいないですよね。

ちなみにメイコン・ブレア監督、ちょい役で出演しています。調べたらすぐ分かるんですが、どこで出てくるか探してみるにも楽しいでしょう。

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