「グッバイ、レーニン!」って面白いのかな。
という人のためにAmazonプライムビデオで「グッバイ、レーニン!」を観たブログ管理人シエン(@tetete437)が感想を書いています。
この「グッバイ、レーニン!」の感想記事を見ていただくと、自分の趣味に合うのか面白いのかが分かりますよ。
ですので、「グッバイ、レーニン!」を観るかどうかこの記事を参考にしていただければ、つまらない映画を観て時間を損したってことにはなりません。
ひとこと感想&評価(5点満点)
派手な演出のある映画が好みの人や、東西ドイツ統一を全体的な視点からのストーリーを観たい人にはオススメしません。
あらすじ
グッバイ、レーニン! (字幕版)(Amazonプライムビデオへ)
ドイツがまだ東と西に国が分かれていた時代からドイツ統一後の物語。
まだ東ドイツがあった時にアレックスの母は昏睡状態になってしまう。
数か月後、母は目覚めたがその時はドイツは統一されて東ドイツはなくなっていた。
母はショックを受けてしまうと命が危うくなる状態。
そこでアレックスは、まだ東ドイツは続いているという芝居を打つことにするのだが…。
監督・キャスト
監督ヴォルフガング・ベッカー
アレクサンダー・ケルナー/アレックス(ダニエル・ブリュール)
東ドイツで暮らす青年。デモに参加しているところを母に目撃される。
クリスティアーネ・ケルナー(カトリーン・ザース)
アレックスの母親。東ドイツがあった時に昏睡状態になりドイツ統一後目覚めることになる。
感想(ネタバレなし)
核心部分には触れないようにレビューしています。
ハートフル+社会派+コメディと3拍子そろった淡い素敵な物語
「グッバイ、レーニン!」そこまで面白いとか感動するわけじゃないですが、1つの映画のなかに見事に、
ハートフル+社会派+コメディ
が溶け込んだ粋な映画だと思います。
これらが見事に融合された映画です。
そして劇的な演出が一切なくて、どこか一歩引いた視点で描いており淡い情感をたたえたままストーリーが進む心地よさを感じました。
「グッバイ、レーニン!」はドイツ映画。
もし「グッバイ、レーニン!」がアメリカのハリウッド映画だと、引き裂かれた家族をもっと悲劇的にしたでしょう。
そして、東ドイツが続けている嘘をつきづづけるアレックスをコメディではなく滑稽な悲しさを演出したかもしれません。
「グッバイ、レーニン!」監督ヴォルフガング・ベッカーの淡い質感を持つ映画は、派手な映画ばかり観ていると、どこか新鮮に思えてきます。
国境で引き裂かれた悲劇の一例。抑えた演出だからこそ真実味があるかな。
東ドイツと西ドイツがハッキリと分かれていた時代、東ドイツへの亡命とかで、
といったことが多くあったのでしょう。
「グッバイ、レーニン!」では、家族が引き裂かれたことが描かれています。
悲劇なんですが「グッバイ、レーニン!」では、やたらと悲劇的な演出はしていません。
息子アレックスがまるで当時の自分を回想しているような、そんな視点で物語が進みます。
どこかドキュメンタリー風でもありますね。
抑えた演出だからこそ真実味がある気がしました。
東ドイツと西ドイツの統一は「国境」とはなんなのか考えてみる、よい一例となっているのではないでしょうか。
国境が無意味化していく描写が興味深い
面白かったのが東ドイツと西ドイツがまだ存在していたけど、行き来がほぼ自由になっていく過程で起きたことのシーン。
壁に阻まれて東ドイツから西ドイツに逃げようとする者がいれば銃殺してた
という状況から、
国境警備員が酒を飲んで酔っ払ってる横を歩いて通り抜けるだけ
になる状況に変化していくんですよね。
映画観る限りは、どうやらいきなり東ドイツが無くなるのではなく最初に東ドイツと西ドイツの行き来が自由になったみたいです。
国境にいる警備員にIDみたいなのを見せたら通れるみたいな状態。
国境はあるけどほぼ自由に移動できるので、警備員の仕事がなくなっていくんですね。
あんだけ悲劇を生み出した東西ドイツ国境が、映画で描かれたみたいにあっけなく崩れていくのは興味深かった。
「グッバイ、レーニン!」は「国境」とか「国」とはなんなのか、考えてみたくなる映画でもありましたね。
東西ドイツ統一後、東ドイツを懐かしく思う老人は多くいたのだろう
「グッバイ、レーニン!」は、どちらかというと東ドイツを好意的に描いているように見えます。
元東ドイツ国民だった老人たちが、東西ドイツ統一後東ドイツのことを懐かしく思う様子が描かれているんですね。
そして息子アレックスも、最初は母をダマすためにやっていた東ドイツがまだ存在し続けるという嘘が、だんだんとその意味が変わってきます。
東ドイツは社会主義で貧困が続いて、たぶん多くの人が苦しい生活をしてたんですよね。
でも、そんな東ドイツを懐かしく思う人もいたのだと思います。
母親クリスティアーネ・ケルナー役カトリーン・ザースが名演だと思う
主人公アレックスの母親役、カトリーン・ザースの演技がよかったな~って思いました。
どこかはかなさがあって、しかし意志の強さも感じさせる表情にじんわりとさせるものがありましたね。
とくにラストあたり、母が息子の後ろ姿を見つめる視線がやさしさに満ちていところが良かった。
「グッバイ、レーニン!」はやさしい嘘が重なり合う切なさのある映画
「グッバイ、レーニン!」は、やさしいウソが3つあります。
息子が母の健康を守るためについたウソ
映画の序盤で息子は母に「東ドイツは存在している。」とウソをつき続けます。
なぜかというと、社会主義にどっぷりつかっていた母は体が弱っており、東ドイツがなくなっていることにショックを受けると危ないから。
アレックスが東ドイツがまだあると嘘をつき続けるのは、母の体調を思ってのことなんですね。
息子が自分を想ってやってくれていることに対しての母のウソ
この母の息子アレックスに対してのウソは、「グッバイ、レーニン!」の映画をより深い見応えあるものにするエピソードなので、ここではくわしく書きません。
ぜひ「グッバイ、レーニン!」を最後まで観て、
そういうことか…
という体験をしてほしいなって思います。
ヒントは映画終盤、母親とアレックスの彼女ララが2人だけになるシーンですね。
この母親とララが2人だけになるシーンを注意深く観ていると、このシーンの後の母親がアレックスの後ろ姿を見る表情が、とっても感動するものになりますよ。
母が子どもたちを守るために長年ついていたウソ
母がアレックスら子どもたちを守るためについていたウソは、アレックスの父親に関することですね。
アレックスの父親がある理由で、母を東ドイツに置いたまま西ドイツに行ってしまう状態になっています。
映画では母のこのウソの理由についてくわしく語られていないですが、僕は子供たちを守るためではないかなと考察しました。
そしてこういうウソをついた母だからこそ、東ドイツの思想にのめりこんでいくようになっていった…と考えると、「グッバイ、レーニン!」いろいろと考察しがいのある映画になってきますね。
母親は東ドイツ国民として高評価される人物へと変わっていきます。
なぜ母親が東ドイツ国民として優秀になろうとしたのか、その理由を考えながら観ると「グッバイ、レーニン!」をより深く観ることができるのでしょう。
「グッバイ、レーニン!」ネタバレなし感想まとめ
ということで「グッバイ、レーニン!」ネタバレなしのレビューでした。
まとめると、
といったところです。
「グッバイ、レーニン!」すごく面白い映画っていうわけではなかったですが、やさしいウソが折り重なるストーリーがさわやかで良かったですね。
「グッバイ、レーニン!」を見る方法
「グッバイ、レーニン!」を見る方法があります。
もちろん違法な視聴方法ではなく、ちゃんと正しく安全安心に視聴することが可能。
以下のサブスク動画配信サービスで観れますよ(2020年6月21日時点)
(配信状況が変わっていることがあります。最新の情報は各サービスにてご確認ください。)
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