「言の葉の庭」の感想・考察 感動的に美しい映画 あのラストシーンだから繰り返し観たのだろう。

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新宿御苑の風景
言の葉の庭、すごく良かった。最高でした。何回も繰り返しhuluで観ました。

映画で、見終わった後、観てた側が、心の底から揺さぶられるものを感じるのがあるっていうのを、まざまざと思い出させてくれました。

私は、言の葉の庭を観ている途中で、観終わった後で、この映画で感じていた感情を「忘れていた」ことを思い出したような気がします。

なぜだか、これでいいんだっていう感じがしました。

高雄と雪野先生の、はかなく切ない恋が胸に響いてきました。

ラストシーンの雪野先生と高雄のセリフのやりとりなんか最高潮に盛り上がります!

新海誠監督のアニメーション映画「言の葉の庭」について考察やレビューをしていきます。

共感してもらえる人がいると、うれしいです。

視聴可能な動画配信サービス

※2018年2月6日時点での配信情報です。配信または見放題が終了している場合がございます。最新の配信状況については各サービス公式サイト・アプリにてご確認ください。

>>どの動画配信サービス(VOD)がいいか迷っている人のための比較記事はこちら

こういう人におすすめ

  • 切ない恋物語を観たい人
  • 「君の名は。」よりも「秒速5センチメートル」が好みの人
  • 明るい雰囲気よりも落ち着いた雰囲気のストーリーが好きな人
  • 雨の日が好きな人
  • SF要素のない新海監督作品を観たい人

予告編

予告編はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=YLDxwZHRP6o

この予告編で「言の葉の庭」の風景描写の美しさや、雪野先生がきれいでかわいい人とかそういうのが分かりますね。

物語全体に流れる雰囲気も予告編と同じような感じです。

あらすじ

高校生の秋月孝雄は、靴職人を目指していた。雨の日の午前中は、学校をサボって有料公園の東屋で靴のデザインを考えたりして過ごすのが習慣になっていた。
そんなある日、孝雄が、雨の日、いつものように東屋に行くと、そこに1人の女性が座っていた。
孝雄は、その女性と、少しずつ話すようになっていくのだが…

監督・主要キャスト(声優)

監督 新海誠

雪野 百香里(花澤香菜)
孝雄が通う学校の先生。生徒との関係がうまくいかず休職している。

秋月 孝雄(入野自由)
雪野先生がいる学校の生徒。日本庭園で雪野と出会うが最初は雪野のことを自分が通う学校の先生とは思っていなかった。

感想・考察

ネタバレあり

何回も観ていると細やかな演出に気付きます。

橋
何回か、言の葉の庭を観ていると、すごく細やかな演出がされているのが分かります。

たとえば…

孝雄と雪野が初めて会った瞬間無音になる

■2:40あたり
冒頭、雪野と孝雄が、初めて雨の日に新宿御苑の日本庭園の東屋で出会うシーン。

孝雄が雪野が東屋に座っているのを見た瞬間、それまで流れていた雨の音などの環境音がしなくなり、一瞬、無音の状態になります。

一瞬の無音と雪野の顔のアップの後、環境音(鳥の鳴き声とか)が再び鳴りだします。

音の演出というのなんでしょう。

一瞬、無音になることで、孝雄が雪野のきれいさや雰囲気に一目ぼれするのを表現してるのかな。

イヤホンで聞くと孝雄が雪野を初めて日本庭園の東屋で見たときに無音になるのが、よく分かります。

何回か言の葉の庭を観ている人は、一度イヤホンで音を聞いてみることをおすすめします。

いろいろと音の細やかな演出に気付くでしょう。

言の葉の庭は、音の細かいところまで聞きたいと思いました。

豪雨になる前に、じつは雷の音が鳴っている。

後半の雪野と孝雄が藤の花の屋根のところにいて、途中で豪雨が降ってくるシーン。

実は雨が降り出す前、雪野と孝雄が話しているときに、バックでうっすらと「ゴロゴロ…」っていう雷の音が鳴っているんです。

一回観ただけでは気づきませんでした。

こういう繊細な演出が、いたるところでされているのだと思います。

光の演出や雨の多彩な表現がすごい

なんといっても、一番印象的なのが光の使い方。

雨降るなか、雲間から雨と光が降り注いでいるのが、すごくきれいでした。

雨音も、すごく心地いいです。

それに雨がただ降っているんじゃなくて、風の流れに乗っていたり雨脚が強くなっては引いていくっていう表現があったりと、すごく細やかに描かれています。

描かれる風景全てが素晴らしかったです。

ビルの天辺で、赤い光が明滅していて、街の喧噪の音が鳴っているシーンって、なぜだか分からないけれど、すごく埋没感みたいなのを感じて切なく胸に響くものがありました。

ただ赤い光が明滅するだけなのに、夕焼けとか黄昏時だからなのか、その風景と音だけで胸に迫るような、なにかがあるんですよね。不思議です。

教室の窓とか雪野の部屋の窓から見える他人が住むマンションの窓に灯りが点くっていう演出がありました。

バックの風景の中にも、人が息づいているっていうのを出したかったっていうことなんでしょうか。

全力でたそがれている映画

新宿の曇り空
学生のころ、休憩時間に窓に寄りかかって外を見ていると、友達から「なに、たそがれてるんだよ!」って言われて、からかわれたことがなかったでしょうか。

新海監督の映画は、この「たそがれる」のを全力でやっています。

映画の冒頭で、孝雄が駅で空を見上げるシーンでモノローグが始まるというのがあります。

人によっては、なんて「くさい」とか「きもい」キャラクターなんだと思うかもしれないけれど、この映画全体のトーンが、こういうモノローグに覆われているので、そういうものだとして観ることができますよね。

最後のシーンの雪野と孝雄が、お互いの想いをぶつけ合うところで、このモノローグが破られます。

このラストシーンは、人によっては恥ずかしくて見てられないってなるかもしれません。

でも、映画だから、雪野と孝雄の二人だけの世界になっているからいいと思います。

そして、もしこのシーンを実写でやったら、すごく白けてしまうような気がします。

アニメーションは、現実よりも物事や風景をきれいに見せることができるのかもしれないですね。

新海監督の作品は、その点が、ものすごく飛びぬけて優れているのでしょう。

聖地と言われてる新宿御苑に実際に行ってみたっていう人の動画を見てみましたが、アニメのほうが圧倒的に美しい風景でした。

孤悲。二人の孤独と恋についての物語

コーヒー
この映画は「孤悲」っていうのがキャッチフレーズみたいなので使われています。

孤悲って、万葉集で使われている言葉とのこと。

孤悲って、「こひ」でもあり「こい」=恋でもあるのでしょう。

雪野も孝雄の関係は、お互い心が通い合っただろう時の「今まで生きてきて、一番幸せかもしれない。」という二人の心の中の声が重なるところで最高潮に達します。

けれど、孝雄が心の中の言葉を「雪野さんを好きかもしれない。」と声に出して伝えたとたんに、雪野が自分の中に閉じこもることで、もろくも二人の関係は崩れてしまいます。

どこかのインタビューで監督は、雪野の倫理観からそうなったと言ってました。

雪野が孝雄の学校の先生だと分かるまで、孝雄は雪野に仕事のことや、名前さえも聞きませんでした。

孝雄は、雪野に名前とか仕事のこととかプライベートなことを聞くことで、雪野が雨の日の東屋に来なくなってしまうんじゃないかっていう怖さがあったのかもしれません。

雨の日の東屋ということだけで繋がっている、そんなもろい関係だったのでしょう。

ラストシーン、お互いの思いをぶつけあう二人のセリフに震えます。

マンション
ラストの雪野のマンションの部屋の中で、雪野が孝雄に「靴がなくても…」と言うことで、雪野にとって孝雄は邪魔だったと孝雄に思わせてしまいます。

孝雄が雪野への想いを伝え、雪野が倫理観から孝雄を拒否することで、孤独で悲しい二人になってしまいます。

もし、結末がここで二人の関係が終わって、孝雄が一人寂しく雪野のことを想うっていうようなシーンで終わっていたりしたら、「言の葉の庭」を何回も繰り返し観たかどうか分かりません。

孝雄が1人寂しく雪野のことを想うということにはならずに、ラストシーンでは雪野が孝雄に抱き着いて、思いっきり泣きます。

もしかしたら、雪野という人は、ここまで自分の中の想いを他人に伝えたのは、初めてのことだったのかもしれないという感じがします。

雪野は孝雄のことを、自分の想いを素直に言っても受け入れてもらえそうだと感じていたのかな。

だからこそ、孝雄と自分の部屋で過ごした時間が、今までの人生の中で一番幸せかもって思えたのでしょう。

孝雄もラストシーンで、自分の想いを雪野にぶつけます。

「誰かに憧れたって・・・」っていうセリフですね。

このセリフって、まだ学生とか会社員だったころの新海監督の心の中の声のように聞こえた人が多かったかも。

ラストシーンで、お互いの想いをぶつけあうことで…というより、自分の中から思い切って出すことで、二人は孤悲から一歩進んだということなのかな。

「言の葉の庭」を観ていると【愛おしい】という気持ちが、すごく感じられます。

雪野先生役の声優花澤香菜さん、ラストシーンのセリフ一発OKだったそうです。すごいですね。

雪野のファッションがすごい素敵です

服
雪野が、すごくオシャレに描かれていたのが新鮮でした。

コーディネーターみたいな人が協力してたみたいですね。

アニメの中で、ここまでファッションがいい感じで描かれてるのって、めずらしいような気がします。

雪野と孝雄が、雨の東屋で、だんだんと仲良くなっていくシーンがピアノに合わせて描かれます。

このとき、シーンの切り替わりごとに、雪野が着ている服が変わります。

雪野の着ている服などファッション全てが、とっても雪野というキャラクターに似合っていて、きれいで、かわいらしかったりするんですよね。

すごいなって思いました。

孝雄と交流することで味覚障害が治っていく雪野の描写がいい

お弁当
雪野が孝雄と仲良く話すようになって、ビールとチョコレートじゃなくて、たぶんコーヒーとかお弁当になっていたのも良かったです。

孝雄と話すことで、雪野は沈み込んでいた心が回復してきて、味覚障害が改善してきたっていうことですよね。

それにしても新海監督は、登場人物二人に同じセリフを重ねて言わせるのが、すごく好きみたいですね。

二人の登場人物が同じセリフを同時に言うシーン鳥肌立ちます。

「言の葉の庭」を観終わると、自分の中の想いっていうのを大切にしたいって思えます。

感極まる気持ちになるんですよね。

なんで、こんな作品を作ることができるんでしょうね。すごいです。

女性なら分かるファンデーションが割れて落ち込む理由

コスメセット
雪野がコンパクトを落として、中の粉を割れたのを見て落ち込むっていうシーンがあります。

男性の中には、なんで雪野が、割れたファンデーションを見て落ち込むのか分からない場合があるでしょう。

ファンデーションが割れてしまうと使いづらいなど不便になるからなんだそうです。

新海監督が、女性スタッフに、ファンデーションが割れて使いづらくなる話しを聞いて雪野のシーンに入れたみたいですね。

ファンデーションが割れて落ち込む雪野のシーンを観た女性のなかには、男性監督の作品なのに驚いたとか、身に染みたみたいな声があるようです。

音楽が最高に切なくていい

KASHIWA Daisukeのピアノの音が切なさありすぎてgood

ピアノを中心とした音楽が、これまた、この映画の雰囲気に合っていてとってもいい感じでした。

ピアノを中心とした、この音楽があることも「言の葉の庭」を感動的な映画にするのに一役買ってますよね。

最初の雪野と孝雄が出会って、雪野が謎の短歌をつぶやいて東屋を去って行って、言の葉の庭のタイトルが出るっていうところの音楽とかで、ゾクッとするものがありますね。

雨音とか風の音も、単純な音ではなくて波があって潤いもあって、すごく心地いいです。

音楽は、KASHIWA Daisuke(柏大輔)っていう人が中心になって作ったのか、新海監督が使うことにしたのかみたいです。

言の葉の庭のオリジナルサウンドトラックって『言の葉の庭』 (サウンドトラックCD付) [Blu-ray]でしかないのかな。

ブルーレイと、いいディスプレイで、高画質の言の葉の庭を観てみたい気持ちもあります。

これとは別に、KASHIWA Daisukeのアルバムで「88」っていうのがあります。

アルバム「88」が言の葉の庭の音楽の元になったみたいです。

私はapple musicで、このアルバムを聴きました。

言の葉の庭の劇中の曲とは、ちょっと違う感じでピアノが弾かれています。映画では違うアレンジになっていますね。

ピアノの音が際立っていて、すごいいい雰囲気のアルバムでした。

新海監督は、このアルバムを聴いて、映画用にアレンジして弾いてもらったのかな?

ラストシーンから始まるエンディング曲の「Rain」の歌詞は映画そのものっぽい

最後のrainっていう秦基博の曲(オリジナルは大江千里)、この映画にあっていてよかったですね。

秦基博のrainにはロングバージョンの曲があります。

秦基博のrainのロングバージョンを聴いてみると、ロングバージョンのほうが劇中で使用されたっぽいですね。

通常バージョンと比べて前奏が長くなっています。

おそらく劇中ではロングバージョンが使用されているので、rainのロングバージョンを聴いていると「言の葉の庭」のラストシーンが思い浮かんできます。

「言の葉の庭」を何回も繰り返し観た人は、rainのロングバージョンを聴いていると頭の中で雨の音と孝雄と雪野のセリフが勝手に再生されるでしょう笑

歌詞を読んでいると、なんだか雪野と孝雄のことを言っているように思えてくる部分があります。

新海監督は歌の歌詞から連想して映画のストーリーを作る場合があるんでしょう。

エンドロールが終わってから、孝雄が東屋のイスに完成した靴を置くシーンがありました。

そして、雪野が先生として田舎の学校で授業をしている様子があったりして、ジーンとくるものがあります。

「君の名は。」の冒頭で、この雪野先生が登場するみたいです。

他にもおすすめの音楽を、こちらのカテゴリで紹介しています。

おすすめ曲まとめ(洋楽・癒し系・女性ボーカル多め)いい音楽集めてます。

新海監督の生き様にも感動します。

新海監督自身の人生のストーリーっていうのにも感動させられます。

監督の人生って、ちょっとしか知らないけれど、最初は、ほとんど一人で自主製作アニメーションを作っていたっていうのは知っています。

最初はほぼ一人での自主製作から始まって、この「言の葉の庭」を作って、さらに「君の名は。」の大ヒット。

はっきりいって、凄すぎる人だと思う。そのことに、憧れます。

新海監督のインタビューかなにかで、もう一度好きだったことを思い出してほしい
みたいな話しがあったと思う。

言の葉の庭を見ていると、昔、子どものころ、どいうことが好きだったのか、どんなことに夢中になっていたのか、学生のころ、なにに憧れていたのか・・・そういった気持ちを、もう一度思い出したいと思いました。

年をとって、ぼ~っと一日中テレビばっかり見ている老後なんて絶対嫌ですよね。

まとめ(映画のその後のストーリーが小説にある)

何回も繰り返し観た映画・アニメは、久しぶりでした。

しばらくしたら、また観てみたいです。

すごく好きとか感動したとか嫌いとかつまらないとか意見が分かれるでしょうけれど、傑作・名作といえるのではないでしょうか。

今、「言の葉の庭」の小説を読んでいるところです。

2017年1月追記
小説読み終えました。感想はこちら↓
小説「言の葉の庭」の感想。世界観を、より深めたい人におすすめ

何人かの登場人物の独白が連なるっていう形で、それぞれの人物のことが心の中のことまで詳しく書かれています。

映画のその後もあるみたいですから楽しみです。

相澤祥子っていう映画では、ちょっとだけ出てきた雪野を追い詰めた女子校生が、ちょっと意外なストーリーでした。

「言の葉の庭」観終わる度に、なんとも言えない切ない気持ちになって余韻にひたってしまいます。

ほんといい映画です。

「君の名は。」の感想を、こちらの記事で書いています。

各地の映画館でロングラン上映されて話題となりまくっていた映画「君の名は。」 動画配信でのレンタルや購入も始まっています。 ...
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※2018年2月6日時点での配信情報です。配信または見放題が終了している場合がございます。最新の配信状況については各サービス公式サイト・アプリにてご確認ください。

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